愛知/田原 麗しき寺下通り
愛知県田原市、豊橋鉄道/三河田原駅からの歩き旅、駅近くの寺下通りを行きます。(2011年3月当時)
愛知県の市の歩き旅は今まで載せた事がなく、これが初となります。
▼駅前通り
前フリになりますが、駅を出たすぐ前の通りの様子です。方角としては、この先が北になります。
駅前には昭和の雰囲気が色濃く残るタクシー会社の建屋が道路沿いにある等、時の流れが止まったかのような思いもしました。
東海七福神とか弁財尊天などと書かれた幟が並び立つ向こうに供養塔が建っていました。
▼城寶寺
城寶寺は811年、弘法大師によって創建されたといわれます。駅前の通りをすぐに左に曲がって程なく、駅からの距離だと100mあるかないかという所にあります。
弁天山城寶寺は浄土宗のお寺となっていますが、弘法大師創建とあるように元は真言宗のお寺で、応仁元(1467)年、応仁の乱の始まったこの年に現在の浄土宗に改宗されています。
あの渡辺崋山の菩提寺としても知られています。崋山といえば幕府に弾圧されたイメージが強いですが、ここ田原藩の家老として飢饉から藩を救い幕府から表彰されたこともあるといいます。
▼寺下通り
城寶寺の真ん前にある「寺下通り」の説明板です。
江戸時代にこの辺りは寺の集中した地域で、防備面の弱い所や城下町の鬼門にあたるところにこういった寺が置かれる事が多かったといわれています。そんな寺の集中する下を通るという事で、寺下通りと名付けられ、今でもこの通りにはお寺が続くエリアが形成されており、観光でも見応えある通りとなっています。
▼城寶寺 山門
こちらが城寶寺の山門で、上の写真は脇の門といったところです。
これも先ほどの山門前の脇にあった観光案内板です。
渡辺崋山の墓所の旨が先頭に記されており、自刃して江戸から瓶に入れられた状態で来たとあります。先住民族の塚もあるといい、様々な時代のお弔いがなされている寺だなと感じます。
▼城寶寺古墳
お寺の中に古墳もあるという素晴らしさで、石で固められた間に扉も取り付けられています。
渥美半島では最大の横穴式石室をもつ古墳で、昭和50年に県史跡に指定されています。
時期としては6世紀後半頃のものとされ、聖徳太子が生まれ育ったような時期でしょうか。墳丘の規模は直径20m程度と推定されています。
これも古墳の部分ですが、「穴倉の由来」ということで説明看板が立っていました。
今のここの低地は昔は海であったとあります。
また、弘法大師37歳の時に江の島から西国への帰途、この巌窟洞の中で護摩修行を行い、土地の人と縁を結んだとも記されています。護摩修行ってやっぱり阪神の新井選手がやってるような燃え盛る火の近くで心を一つにして念じるようなものだったのでしょうか。
▼城寶寺 本体
本体というのもなんですが、、お寺そのものと違う部分がクローズアップされがちなこのお寺。お堂の方もこうして立派なものが建っています。
▼慶雲寺 入口
城寶寺の西隣に位置するのがこの慶雲寺。
段々になった白壁の塀がとても印象的な入り口です。
とにかく自分の中で、田原の町といえば真っ先にこれをイメージするくらい強烈に印象に残る画といえます。
▼慶雲寺 山門と本堂
ここの山門は城寶寺よりはかなりシンプルなものですが、両サイドに白壁の塀を配しています。
山門をくぐると本堂が見えますが、その前の両サイドには大きなソテツの木々が存在感たっぷりに構えています。
高さ7mにもなるこの木々は、「たはらの巨木・名木100選」に入っているそうです。
▼龍泉寺 山門
慶雲寺の更に西隣の龍泉寺です。
これまた白壁の段々になった塀で、腰の部分は城のような石垣が積みあがっています。
これだけこういうタイプの階段横になった寺が続く町は、少なくとも私は見たことがないですね。それだけにこういうカットはホントに惹かれて、思わず沢山撮ってしまいました。
▼龍泉寺 本堂
立派な本堂があります。屋根がいかにも末広がりっぽくて安定感もありそうです。
慶雲寺のソテツほどの存在感のある木ではないですが、なかなか雰囲気は出しています。
見落としてましたが、この寺には芭蕉の句碑もあるそうです。
▼龍泉寺 櫓?!
龍泉寺境内にあった櫓状の建物です。
妻の入った瓦屋根と腰の部分の板張りと、そしてサイドの赤い枠とコントラストの効いた建屋で、非常に目を惹きます。
▼龍門寺 山門
更に西へ。またまたまた石垣の上に白壁塀の階段!
これでもか!というくらいですが、前の龍泉寺の石垣は斜面に合わせるように斜めになっていて、こちらは階段や塀の高さに合わせちような水平な形での段々の石垣になっています。
やはり田原イコールこの段々塀の印象が強く残ります。この辺りを通るとホントに強くこの事を感じます。田原ってどんな町?と思いながら行くのであれば、まずここは近場なので気軽に行けるし、行って損はないと思います。
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