北海道/登別 バブルの賜物?
北海道登別市、JR登別駅からの歩き旅です。
(2013年4月当時)
●駅前通り
登別駅前の通りを駅前広場から。
まんなかの玉ねぎみたいな建造物はインパクトがありました。
それより駅出入口の熊とか、この手前にあるか金棒を持った鬼の方が何倍もインパクトがある訳ですが…
駅前広場ロータリーのど真ん中で、ここでくつろぐ人が居るのかどうか分かりませんが、木のベンチがいくつか置いてありました。
登別駅周辺の地図です。
肝心の駅周辺が光の反射で見えていないでもご心配なく、というところで、駅の右下(方角にして北東)の「登別マリンパークニクス」がまずはおススメです。
アシカショープールやイルカショープール、ペンギン館など動物関係や、観覧車があったり、デンマークの古城風の壮観な建物があったりなど数々の見どころがあります。これがまた郊外ではなく、登別の駅前にあるところがポイントだと思います。
この訪問時は、この存在に気づかなかった為、まずは街歩きをしていました。
という事で、まずは駅からまっすぐ伸びた道路を往きます。
低層の建物が続く通りで、見晴らし良しです(笑)
これといったお店に乏しく、風景を楽しむ事としました
分かりにくいですが、下の方で小鬼が2匹?(鬼はどう数えるのか…)、温泉に浸かっているようです。真ん中を横切る橋は新登別大橋といわれ、脇には市の花つつじがあてがわれています。
登別駅前の強烈なインパクトを放っていた鬼といい、この登別は何か鬼にまつわる伝説でもあるのと思いますが、どうやらそうではないようです。
その起源が昭和39年、東京オリンピックの開催された年ですが、当時の若者たちが観光客を呼び込むために、登別温泉の象徴的存在の「地獄谷」から連想される鬼を主役にした「地獄まつり」を発案した事によるそうです。昭和の発案だとは思いもしませんでした…。
新登別大橋は、実に24億円をかけて1986年に完成した長さ約240mの橋で、その赤い色と下の曲線アーチがとても美しい橋です(実際に見たかったですが…)
登別駅から約200m程のところ、左側には「スーパー」と冠された建物がありますが、かなり錆び錆びの様子でした。
過去の遺産かと思いきや、このスーパーニチエーさん、全くの現役のスーパーだそうです。維持管理面に関しては敢えてこのようにしているのか?分かりませんが、旅行者として道行く者としては足を止めずにはいられない建物でした。
駅前郵便局、とついたものの中では豪華な部類に属すると思います。
というのも、これと別に「登別郵便局」という本局が存在しますが、登別駅から2駅離れた「幌別」駅の前にあるそうです。
実質、登別駅周辺では、この駅前郵便局が本局的な役割を果たすという事でしょうか。
●交差点
駅前通りから交差点まで来たところですが、「登別伊達時代村」なる案内看板がありました。
日光江戸村の系列として1992年に華々しくオープンし、CMにはこの看板の絵のイメージにピッタリな俳優の千葉真一氏を起用したといいます。
初年度は70万人の入場者数を記録し、活況を呈したといいますが、それから12年後の2004年にはこの1割強にまで落ち込み、運営会社も撤退し、別の会社が運営して存続している模様です。
伊勢戦国時代村など、ここと同様の江戸時代疑似体験的なテーマパークが90年代に流行りましたが、これも流行り廃りものだったのか。しかし昔の体験を現在できる、というのは伝統継承でもあると思うので、存続はしていてほしいものです。
「登別」というあいまいな名称のバス停で、駅の真ん前にある訳でもありません。地方にはこういうケースは時々ありますね。
時刻表を見ると、苫小牧経由苫小牧市立病院行きとあり、日中のみ5便だけの運行のようでした。
北海道のバス停らしく、しっかりした小屋型の待合室がありました。こういうのがあるとつい入りたくなるのは日頃こういう光景を目にしないからでしょうか。
木枠の桟が懐かしいと思って見ていましたが、この小屋がいつ建てられたのかな?とか考えてしまいます。そんな資料などあろうはずもなくサッパリ分かりませんが。
駅から街並みをひと通り眺めた後、再び登別駅方面へも戻って、この「登別マリンパークニクス」に入りました。
駅方面に戻るまでこの存在を知らず、たまたま出発まで時間があったので、他にどんな風景に出会えるのかと思って寄ってみたのですが、これがナント嬉しい誤算でした。こんな素晴らしいテーマパーク?があるのかと。
ここは1990年にオープンし、なんでも「北海道最大の水族館」を実現する為に、登別市が中心になって第三セクター会社を設立し、73億円をかけてつくったそうです。
しかしここも先述の登別伊達時代村同様に、というか、開業2年までは年間60万人の入場者数を記録しながら、翌年は40万人にまで落ち込み赤字転落、参画していた企業も撤退し、登別市が丸抱えという憂き目にあいました。
現在は民間企業により運営されており、その企業努力により赤字幅も縮小していっている、との事です。
バブル経済とその後の崩壊と…いろんな所でそれが分かる風景を目にしましたが、その後放置になるか、立て直すか、これもまた各地各様ですね。せっかくの施設を無駄にしないように努力している所もあるんだな、とも感じさせられます。
マリンパークニクスの本体ともいうべき「ニクス城」です。
この中が水族館という訳ですね。登別の街並みだけを見ていた時は出くわす事のなかった、このような建物に出会えた自体が貴重でした。
ただ入場料が2,450円と結構割高で、ちょっと入ろうとは思えず(最初から入るつもりはなかったのですが…)、この価格で何十万人も入場していた開業当初は相当儲かっていたのかな?などと考えてしまいます。
この建屋から入っていき、チケット売り場が右手に見える部分にあります。
中へは入っていませんが、相当色んな生き物が見られるようです。
イルカやアシカのショーやペンギンのパレードなど、アトラクションの関係が多いせいか高い入場料となっていて、飽きられるとこの部分がネックになってくると思うので、プログラムの更新や趣向を凝らした運営が必要になってくるのでしょうね。
敷地内には観覧車もあり、これまた花を添えているという感じです。
単なる水族館のみならず、このように観覧車があると、施設全体のスケールが大きく見えて、外からの印象もガラリと違ってきます。
北欧風建屋に観覧車のある水族館、登別市は相当意気込んでこの施設をつくったのだろうな、という当時の気迫というか情熱みたいなものを感じました。
単にきれいな風景として見るのもよし、色々背景や歴史を考えながら見るのもまたよしで、旅の楽しさや深さをまた感じさせられました。
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