福岡/筑後 羽犬塚のルーツ
福岡県筑後市、JR羽犬塚駅からの歩き旅です。
(2011年3月当時)
●ホテル・エルモント
羽犬塚駅のほぼ真ん前にある好立地のホテルで、ここを訪ねた時に泊まらせて頂きました。料金も5,000円程度でリーズナブルでした。
この出で立ちから一瞬、マンションのように見えましたが、何より駅からすぐなので、ほぼ迷いようのないところです。
「chikugoshi」のローマ字を渋い字体で書かれています。時計などで時々見かけますが、「フラクトゥール」という古いドイツ文字ですね。
市の花であるサザンカを中央部に散りばめ、周りに市の木であるクスノキの葉を並べている、という事です。
市の木クスノキなのは、市内に古くて大きなクスノキが沢山あるという事で、緑豊かで鳥の多く集まるクスノキに、筑後市が今後益々の繁栄の想いが込められていという事で、市の花サザンカは、他の花に比べて咲いている時間が長く、長く繁栄するよう願いを込めて選ばれたようです。
駅からさほど離れていない地点の通りの一角ですが、時が止まった感満載でした。
まだまだこういう雰囲気のところは少なくない訳で、歩いているだけで非日常の気分になれて、気分転換にもなるな、と個人的には思いました。
スナック街というか、1つのビルに集中して存在している格好でした。
通りかかったのが早朝だったので想像がつきませんでしたが、夜になるとこの辺りが本当に盛り上がるんだろうか?という疑問?は湧かずにいられませんでした。
こんな静かな所でも、どこからともなく人が集まってきて、盛り上がって、お金が落とされて行って、街の人々の生活が回っている…そのサイクルがなされているのか、不思議な感じでした。
更に駅から離れて、線路とほぼ平行に走る国道に出てきました。
国道209号線は福岡県の大牟田市から久留米市を通る約35kmの道路で、途中にみやま市やここ筑後市などを通っており、この辺りだけでなく、全線通じて線路(JR鹿児島本線)と平行に走っているといいます。
また、大牟田市からみやま市の途中までは同じ国道208号と重複する事もあり、実質的な長さは28km程度になります。
この地点は羽犬塚駅から歩くと300~400m程度でしょうか、すっかり市街地で店や施設が並ぶ通りとなっていて、駅前感は希薄でした。ただ、ここをもう少し進むと筑後市役所があります。
標識と建屋の写真です。
標識は左側に見えていますが、駅から進むと市役所は右に見えてくるので、これは駅方面へ振り返った形でのカットとなります。国道209号を駅から歩いて少し右に入り組んだ形で広場が設けられています。傍の花壇が大変きれいで癒されます。
市役所の建屋てっぺんには、新幹線開業が「決定」として看板に掲げられていました。
この時は2011年3月20日、九州新幹線の延伸開業がなされてわずか8日という状態でしたが、何せ東日本大震災の報道に連日衝撃を受け続けていた時期でもあり、新幹線開業のお祝いムードもなかなか響かなかった感もありました。
市役所自体は2階建てという低層で、その分横に広い建屋でした。
国道209号を更に駅から離れて、北方向へ進んでいった「羽犬塚小学校」の前にあたり、駅からの徒歩距離(駅前通り直進→国道209号の交差点で左折した場合)でいうと1km程度になります。ここは「薩摩街道」とされ、(坊津街道)と表記されています。
坊津街道は、筑後市内を南北に貫通し、ここ羽犬塚は松崎、府中と共に「筑後三宿」に称され、整備された宿泊施設としての「御茶屋」がこの地にあったといわれています。
ここでの御茶屋は、街行く人が休憩を取る「茶屋」というものではなく、大名が休泊する「本陣」的な意味合いで、ここは久留米藩直営の施設であったといわれています。
建物は17間×28間で、その他付属地を合わせ約1,200坪、4,000㎡にもなる広大な施設であったようですが、その面影は植えられていたツバキやソテツなどに残るのみで、施設は小学校になり変わってしまっているようで。もしそれらの建物が残っていたら、完全にこの辺りは観光コースから外せないエリアになっていたのでは…と思わされました。ここでもこうして跡地として残す形にはなっていますが。
この「羽犬塚」のルーツであり象徴的な存在である「羽犬」が、同じく羽犬塚小学校前に像として設置されていました。羽犬塚の駅にもあったものです。
後ろ足を上げて羽を広げているのがなんとも不思議な印象でしたが…
駅記事にも書きましたが、この犬の伝説は諸説あるものの、豊臣秀吉の九州討伐に関係して生まれたものとされており、犬を弔う塚はこの北の宗岳寺というところにある、と説明書きにありました。
そして、この塚のあるという宗岳寺(そうがくじ)へ。小学校とは目と鼻の先で、国道209号とクロスする国道442号との交差点の角にあります。
犬の塚と共に、六地蔵も祀られていますが、これは秀吉がこの寺に来た時に寄進したものと言われています。
このような福岡県の小都市において、天下統一を成し遂げた人物にまつわる場所であるものの、有名な観光地でもなく、人が絶え間なく出入りするような賑わいもなく、あくまでひっそりとしていましたが、そういう所だからこそ余計に訪ねたくもなり、このように取り上げてみたくもなりました。
羽犬塚という地のもとになるこの場所を訪ねた事で、筑後市の旅が潤いあるものとなり、ここへ行った、という明確な証しもつくれて良かったと思いました。
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