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2016年8月10日 (水)

茨城/常陸太田 坂を上れば鯨ヶ丘!




茨城県常陸太田市、JR常陸太田駅からの歩き旅です。

(2013年10月当時)

●駅からの道

新しい駅舎となっていた駅を一通り見た後は町へ出ました。左に覗いて見えるのは、駅前のバスのりばの庇です。

ここからどこをどう歩いたら、ご当地らしいものに出会えるのか?全くの手探り状態でのスタートでした。

まず最初はこの右側の道路を向こうに進み出しました。

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●マンホール

「やまぶき」という表記が見られます。別にここがかつて「やまぶき」という地名・自治体名であったとかは一切ないようです。「山吹運動公園」や日帰り温泉は「やまぶきの湯」というのはありますが、ここと山吹の関係性が今ひとつよく分かりません。市の花がやまぶきであるという事で、ここでも全面的にあしらわれていますが、まるで自治体名かの如く表記されているのは甚だ納得のし難い部分がありました。

「ひたちおおた」とか「おおた」とか表記されているマンホールはないか?とネットで探すも見受けられませんでした。カラー版は山吹色のようです。

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●古き良き日の…

建屋群に早速出会えました。

駅前の道からまっすぐ行って程なく、そのまま直進する道と右斜めに上っていく道との分岐点辺りのこの光景はありました。

コンクリート製のゴツゴツしたこじんまりとした建物、コンクリートの黒ずんだ感が年季を物語っていて、思わず足を止めたくなる光景でした。

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●福祉会館入口バス停

2つに分岐した駅前の道路の左側の平坦な方を進んでみました。

平坦な道でまっすぐ来た感じだったのですが、道路の連続性でいうと、それまで県道を通ってきていたのを、分岐点の部分でそれた格好になったのがこの道路の方で、上の写真での右に分岐して坂を上っていく道は県道として続いている形になっているのでした。

この時はまだ、こちらの方が本流の道路だと思いながら歩いている真っ最中でした。

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●かわねや前

というバス停に来ました。

上の写真から少しだけ進んだ地点です。

左向こうに「かわねや」というスーパーがあり、その前のバス停という事ですが、かわねやは明治の創業で、ここ常陸太田に本部機能を持ち、5店舗が運営されているといいます。売上高は96億円ということで、この店舗数にしてなかなかの規模かと感じます。

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●鯨ヶ丘トンネル

この訪問の前年にあたる2012年7月17日に開通した新しいトンネルです。

トンネルの上は中心地的な賑わいを見せるエリア(この丘自体が「鯨ヶ丘」 )ですが、この時はそれをつゆほども知らずに、ただただこの辺に何があるか?と思っていわば下道を歩いていた格好です。

トンネルの全長は128mと実に短いものですが、それまで通じていなかった部分を貫いたこのトンネルの重要性は今後増していくのかもしれません。

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●上りゆく…

駅方向へ戻って、駅前の道を右にそれて上っていきます。

結局、先程までの地点でこれといったものが見つけられず、中心市街的なものも分からず、ここを入って行くととどんな通りに出会うかと思って進んでみました。

なかなか古風な建屋が続いていて、これだけで妙に惹かれるな…と思いながら、坂を上っていったのでした。

今どきはスマホの地図なりで調べれば分かるんですが、そこをあえて知りたくないというか、知らずにピュアな感覚で様々な景色に出くわす事を大事にしたい、と思う気持ちも結構強いので、明確にここを訪ねると決めている時は勿論調べますが、あえて知らぬが華で進める旅も大変楽しい、と感じる訳です。

街灯が続いているところに、商店街っぽい雰囲気を感じましたが、これで中心街に出るのか、はたまたこれが廃れきった姿なのか…?まだ分からずでした。

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●下井 水天宮

坂を上っていく途中で出くわしたものです。

初めてといっていいほど、地場の独特のものに出会えた、そんな感じでした。

鯨ヶ丘には七井(ななせい)と呼ばれる井戸があったといい、ここはそのひとつですが、昔の通りに残っているのはここだけです。

幕末の1857年に御神符を受け、水神様を祀っているという事ですが、現在のお宮は昭和9(1934)年に史跡保存会を結成して新築したといいます。しかし老朽化が目立ち、平成16(2004)年に再度、神宮奉賛会を結成して、「原形を極力保ち、50年以上保存できるように」という事で竣工したそうです。

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●更にのぼる…

坂が段々急になる感じで、この先行っても大したものには出くわせないのかな?このまま引返して近場だけ歩いて満足する事にしようか?とかなり思っていたところでしたこの時…。

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●旅は終わらず

坂を上り切って、これといったものが見つからなければ、このまま引き返そうと思っていました。しかし…

上り切るや否や、このような光景が広がっていて、ミニ公園のようなスペースにイベント用のステージもあり、「鯨ヶ丘」の碑も前面にあったり、この辺こそが旅して巡るべきエリアなのが、と痛切に感じられました。

もし、横道それてちょっと歩こうという気にならなかったら、適当に駅の前だけ歩いて帰っていたかもしれません。諦めようと思っていたところでちょっと頑張ってみると、こういう光景に出合える、本当にそんな感じでした。人生のシーンにも言えるような事を体現できました。

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●鯨ヶ丘散策図

このあたり、やはり町の中心地らしく、このような案内図が出ていました。

先述の太田七井に加えて、「七寺」「七坂」などというものも定められているようです。

見どころもこの辺りに集中しています。

それまで、ここに何があるのか?歩いてもなかなか見つけられない感があったので、俄然旅のモチベーションが上がったという訳です。何も知らないところから、こうして見つかるのがなんともいえない幸福感があり、個人的な知らない街の旅の大きな醍醐味でもあります。

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●石窯

これは東日本大震災で被災し処分された大谷石を再利用してつくられたものです。

待ちの元気を取り戻すためのモニュメントの役割を果たしている、と書かれています。震災を風化させない為に。

茨城県も少なからず被害を受けているので、この事を忘れない思いは強いのかと思わされます。「がんばってます常陸太田プロジェクト」なる団体の手によりここに設置されています。

ちなみに大谷石は「おおやいし」と読み、軽石凝灰石の一種という事で、いわゆる軽石ですね。主に栃木県宇都宮で採掘されるもので、外壁や土蔵の建材として使用されるものだそうです。耐火性に優れ、軽くて柔らかいという性質の為に使われているのですね。

前面だけ見ると、灯籠石の下半分のようにも見えますが、裏から見ればこの通り、釜であることが分かり、薪割りされた木材も用意されています。

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●鯨ヶ丘ふれあい広場説明板

最後になりますが、このような説明板がありました。

この辺りでは、今から約900年前の平安時代に藤原道延という人物がお城を築いたといわれています。この人物は藤原秀郷の子孫で、築いたお城は太田城といわれ、当初は太田大夫と称していたそうです。後には佐竹氏が入り、長らく城主の座を務めていたといい、平安末期から江戸初期(この時期に廃城)にまでおよぶ長期間であったといいます。

特段遺構らしきものはないようで、城址の碑があるくらい?それでも関東七名城のひとつというので、これまた驚きです。

この広場が整備されたのは2008年の事で、市民協働によるまちづくりの想いに支えられ、その結晶としてここに存在しているという事ですね。常陸太田きっての歴史あるエリアでありながら、ここが近年新設されたように新ランドマーク的な役割も果たしているのかな?と思ったりで、常陸太田の駅に来たら、ここへは一度寄るべきかな、と感じた次第です。

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