福岡/直方 陣屋と遺跡と昭和と
福岡県直方市、JR直方駅からの歩き旅です。
(2010年4月当時)
●駅前通り
今から約7年も前の姿になりますが、直方駅の駅前広場から駅前の道路へと進んで行く様子です。
左側に見えている「Sun Live(サンリブ)直方」という、中国地方西部から九州に多数店舗を持つスーパーマーケットチェーンが写っていますが、昨年2016年8月に閉店してしまい、1.5kmほど北の郊外に移転してしまったそうです。ドーナツ化現象なのか、小都市の駅前って寂れていくなぁ、という事を先日別の町で体感しましたが、ここもそうなったか…という感じでした。
という看板が駅前にありました。
江戸初期の1623年に黒田長政の遺言により、福岡藩の支藩として開かれたのがこの直方藩であったといわれ、当初は東蓮寺藩という名称であったそうです。
この絵にあるのは1700年ごろの城下町の様子です。
藩ができた頃は数百人の下級武士がいたとされ、市街地が形成されていったそうですが、当時は一国一城令のもとで、藩主は城ではなく、陣屋に住んでいたといい、陣屋城下町といわれるゆえんでもあります。藩が開かれて50年ほど経った1675年東蓮寺の地名を直方に改められ、「直方藩」という名称になったそうです。その後1720年に藩主の黒田長清が没し後継がなかった為、直方藩も廃藩を迎え、この藩は約100年でその役目を終える事となり、本藩の福岡藩へ還付されたといいます。
直方駅よりほど近い位置にあるこのお寺、先述の直方藩の創設に伴って、この地に移設されたといわれています。城下町を守る要塞としての役割を果たしていたといいます。
市の木「たいさんぽく」と明確に銘打って表示されています。この潔さがなんとも素晴らしいですね。あんまり「市の木」と律儀に書いてるマンホールは見た事がないので。
たいさんぼくは、「泰山木」あるいは「大山木」と表記し、モクレン科の常緑高木という事ですが、花径が50~60㌢にもなるといわれ、日本の樹木としては最大の花径を誇るといいます。
また直方市では、このたいさんぼくの他にもヤマボウシというミズキ科の植物も市の木として指定され、市の木が複数存在しています。
●懐かしげな一角
これまた直方駅前よりほど近い地点のカットですが、この昭和感はたまりませんでした。建物の出来合い感というか、看板も何十年となく変わってなさそうな印象も受けるし、この前に立ってしげしげと見続けていたいとさえ感じました。
直方駅前にある公園の一角です。先ほどの昭和感満載の一角の道隔てて向かいにあります。
「私は古里を持たない 旅が古里であった」と刻まれていました。
舞台上演回数が実に2,000回を越えた「放浪記」の作者として名高い林芙美子(1903-51)は幼少時にここ直方の木賃宿に滞在し、両親と行商生活を送っていたといいます。母親がバナナの叩き売りをして、近くで芙美子自身もアンパンを売っていたと。親が旅から旅の行商生活というところから出てきたフレーズでしょうか。代表作が「放浪記」というのも実に「らしい」と思います。
彼女の命日辺りにはこの石碑が少し飾られて、献花もされてということで「芙美子忌」としてちょっとした盛り上がりを見せるようです。
その林芙美子碑が端にあるのは、この須崎町公園で、ここはまた遺跡としても存在し、江戸時代の直方陣屋城下町下で、江戸期の陶磁器などが出土した事が発掘調査で分かったといいます。
他にも江戸後期の墓地や多量の瓦を廃棄した後なども見つかったといい、江戸期の生活を色濃く伝える遺跡として貴重な存在といえます。
最後はこの写真、公園の全体像とそこにはステージが設置され、時にここでライブや市のイベントなどもあったりするそうです。
床面が曲線で盛り上がってるのがなんとも、ですが、こういう加工って結構難しいのでは?と思ってしまいます。隙間なく、タイルの四角形の形も崩さずして、実に見事でした。
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