島根/浜田 島根の西の城下町
島根県浜田市、JR浜田駅からの歩き旅です。
(2013年3月当時)
●どんちっちタウン
浜田駅の記事でも登場した「どんちっち」。街の中でもこのような壮大なゲートがつくられ、街の象徴的な存在ともなっています。この辺りでは夏祭りイベントとして、神楽フェスタなども開催されています。石見といえばやはり神楽は切っても切れない存在ですね。
県都・松江市にもあるちょっとリッチ感のあるホテルがここ浜田にもありました。
島根県内では、松江、出雲、浜田とあるようで3大都市のひとつ、の位置づけともいえます?!ちなみに松江市の同じホテル、当時はグリーンホテルと称していましたが、ここは管理人が島根県で初めて泊まったホテルであります。
石西文化会館、というのが西隣の益田市にありますが、こちらにあるのは石「央」文化ホールです。石州の中央という意味合いでしょう。
パステル調で曲線の入った、ちょっとふんわり目の建物です。大ホールは1,150席のキャパシティがあり、映画上映会や落語の一門会、学校の定期演奏会など様々な催しが行われている浜田の代表的なホールといえます。
浜田駅前の隣のバス停です。
浜田駅南口から駅前すぐを右折して、県道208号に入って200m程行くかどうか位の位置にあります。結構駅近ですが、建物の密集度はパラパラとした感じでした。
ジェンナー(1749-1823)、子どもの頃伝記で習った名前、種痘の研究で有名な人、というイメージです。とにかく野口英世のように病気の研究をして功をなした人という感覚で覚えていた名前ですが、その彼の銅像がこの浜田にありました。
種痘ってそういう病気なのかと思っていたら、昔は死の病といわれた天然痘の予防法として種痘法を発明した、とありました。天然痘を撲滅した訳ですね。子供のころ勘違いしたまま大人になってしまった、よくある事ですね(笑)
この近くの少し離れた場所には頌徳(しょうとく)碑もあり、意外にも?ジェンナーの功績を讃える公的な碑というのは世界中でも、この浜田にしかないようです。で、なんで浜田に??という事で関係性を探ってみたものの、浜田の豊原観一郎(1864-1922)という医師が発起人になって建立にこぎつけた、とありました。別にジェンナーがこの地に縁があるというのではないようですね。とにかく「人類の大恩人 ジェンナー博士」とあります。そしてこの像を建てたのは「ジェンナー顕彰会」です、なんと素晴らしい。
濃い茶色を基調とした空に映える色の建物です。
この建物自体の情報があまりないのですが、建物の左端に時計があるとちょっと不思議な感じがしました。ドアノブみたいな位置にあります。
浜田市役所の前に建てられている像です。
俵国一(1872-1958)氏は浜田市生まれの工学博士で、日本の製鉄製鋼技術の発展に尽力した人物です。鉄鋼業の発展を促進させ、日本鉄鋼協会を設立したり、研究委員会などを立ち上げて自ら委員長を務めたり、並々ならぬ心血を注いだ、という事です。
浜田が生んだ偉大なる科学者の栄光を讃え、後世に伝える為に建てられたとあります。
と、ここまでは、郷土の偉大な方の像なんだな…という話なのですが、この人物の姪孫(てっそん)が、あの、昭和50年代の夜を中心にフジテレビキャスターとして存在感絶大であった「俵孝太郎」氏なのです!これには驚きました、ビートたけしのモノマネで覚えた人物ですが、今年で87歳になる今も御存命のようです。
更に脱線しますが、俳優の小泉孝太郎さんの名前は、父親の小泉純一郎元首相が俵氏の名前からとって命名したのだとか!調べれば調べるほどにビックリ続きです。浜田の英雄からここまで話が膨らむとは…。
さすがに市役所前のバス停、という感じで、しっかり停留所にベンチと屋根もついています。こういうプチ豪華?なバス停見るのが大好きです。直射日光や雨露を避けて、座れる、バス停でこれっていいな、とかすごく思うんですよね。
という喫茶店を挟む形でのY字路、ならぬЧ字路という感じの道路です。
しかしこの喫茶店の何時代も前の、時が止まったようなポツンと佇んでいる感がなんともいえず近づいてみたら…
平成18(2006)年12月に閉店済でした…、今から10年以上前に閉店していて、この写真の当時(2013年3月)から見ても6年少し前という事になります。それでも21世紀までこの佇まいの喫茶店が残って営業していた、というのが素晴らしいと思います。
この急角度で傾いた庇が古さを感じさせるのでしょうか??
幹線道をそれて、山沿いのような坂道を上がっていきます、様々な店名の灯籠?が立ち並んでいる中を。この華やかな並びの先は城山公園という事で、正直ここへ来るまで浜田に城下町のイメージがなく、島根の石見地方にあまりそういうものがないと思っていたのですが、浜田の城跡は建物こそないものの、石垣レベルではなかなかのものでした。
ここは観光に良いと思います。この街に観光に来る人はあまり多くないようですが、逆にその分ゆったり見れるというものだと思います。
「桜まつり」とありますが、訪ねたのが3月末で桜の咲こうとしている実によい時期であり、この灯籠群?もこれにあわせて並べれたのか?分かりませんが、とにかく華やかなる事この上なしでした。
坂をのぼっていくうちにこの城山公園の看板が出てきました。
浜田城は亀山城ともいわれ、標高68mの丘陵に築かれたお城です。
1619年に古田重治(1578-1625)という人物が大坂の陣の功により、この浜田藩5万4千石を与えられて初代藩主として入封したとあります。築城されたのはこの翌年1620年だそうです(完成は1623年)。
ちょっと年代的に遅いのかな、という感じですが、姫路城も1610年代だしそんなもんかという気もしますね。
その後古田氏は二代目でお家騒動を起こして改易となってしまい、その後は松平、本多、再び松平氏ときて、明治を迎える事となりました。
城山公園内にある神社で「火の神」とされています。
元は別地にあったものが1872(明治5)年にこの城山に造営されたといいます。独特の曲線を描きつつ、上半分が妙に存在感のある白色に、そしててっぺんの赤に、不思議な雰囲気の塊という感じがします。
この社殿は昭和42年に建てられたという事で今年ちょうど50年になります。
島村抱月(1871-1918)の碑がありました。なんと浜田の出身なんですね。正確には那珂郡金城(かなぎ)町生まれで、平成の初めまで浜田市外でしたが、現在は浜田市内になっています。島根県の人だとは知りませんでした。松井須磨子と共に芸術座を結成して、須磨子の唄う「カチューシャの唄」が有名になるなど名を馳せた人物でした。
色んな偉人の碑やら慰霊碑やら色々ある城山公園スペースですが、このバックにあるのは「勤労青少年ホーム」だそうです。働く若者の憩いの場でありオアシスである、という事ですが、どれほど利用されているのか。
浜田城に関する説明があちこちにありますが、柿本人麻呂の終焉の地ともいわれていて、石見では他にいくつもの地の説がありますが、ここもその一つという事です。
浜田城の復元CGがありました。建物はここにはありませんが、当時を偲べばこんな感じか、というのを表現してくれています。
門は屋根の下を純木造の建物が支えていて、この色のくすみ具合がまたなんともいえない渋みがありました。入口門のドア部分に比べて上の屋根が実に重そうです。
元々津和野藩庁の門であったそうですが、明治3年に浜田県誕生時に県庁の門として移築され、更に昭和42年にここに移築されて今に至るという事です。つまりは元々、浜田城とは何の関係もない存在であったという事です。
浜田城は天守はおろか櫓もなく、城の建物がないのですが、その分この石垣の存在感がかなり大きいです。
階段と石垣の組み合わせがカッコよかったり、石垣が段々状になって見える部分もまたカッコいいなと思いました。
これに関しては実際に行ってみてほしい、の一言に尽きます。この写真では伝えきれない壮観がここにはあります。
てっぺんの本丸です。
そんな高い所からではないんですが、眺めがなかなかよろしいです。
眼下には外の浦という深く入り組んだ入り江があります。ここは江戸時代に海運でかなり栄えたところらしく、浜田藩最大の物流拠点であり、廻船がかなりの数ひしめいていたといいます。
浜田城は平山城であり、海城であるともいわれるのは、この眺めによるところも大ですね。
この時が浜田に来たのが4,5回目くらいで、街歩きしたのも2回目ぐらいでしたが、やっとまともに旅したなという感じがしましたし、こんなに城下町だったのか、というのも改めて感じました。何度か行ってる割に漁港のイメージが強くて、お城という感じではなく、島根県西部にそもそもお城のイメージがなかったので、この旅では良い発見ができたなもというのをつくづく思います。
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