岐阜/羽島 佐吉と藤とオールカラー
岐阜県羽島市、名鉄/羽島市役所前駅からの歩き旅です。
(2011年11月当時)
●佐吉大仏へ
羽島市役所前駅から徒歩で200mほど歩くとあります。
出口を出てから踏切を越えて反対側へ回る事となりますが。
この時、羽島の町を少し歩こうという事で、それまでは岐阜羽島の新幹線駅前を5分くらい歩いたぐらいで、周りにさしたるものもないと感じて以来の訪問でしたが、そんな中で、どこを訪ねようか?と考えつつ出てきたのが、この「佐吉大仏」の存在でした。大仏が見れるならいいか!って事で行ってみた訳です。
詩人・野口雨情の詩が看板にデカデカと出ていましたが、ここ羽島の竹鼻には縁の深い方のようで、しばしばこの地を訪ね、羽島の高等女学校では複数講演を行ったととの記録もありました。
大仏の拝観無料という事で、敷居も高くなく訪ねる事ができました。
白い鉄筋のゴツッとした建物が境内に現われ、建物の中を入っていきます。
そんなに人通りはなく、落ち着いてゆっくり見る事ができました。
中へ入ってみると、確かに存在していました!
大仏様!
1759年に永田佐吉翁により建立され、その名前がそのまま取られて佐吉大仏となっています。佐吉翁は匿名で゛奉仕活動を度々行い、親孝行を重ね「美濃聖人」とよばれた人物で、母の病気を仏様に祈ったところ全快し、これが大仏建立のきっかけになったといいます。
ちなみに高さは186cmで、日本の観光名所にあるようなものすごい大仏ではありません、ただ人間でもやや大きめのサイズの方相当の大きさはあり、大きめの仏様であるる事は変わりはありません。
この市役所駅前界隈も隣の竹鼻駅同様に竹鼻地区であり、その竹鼻の商店街として広がっていました。
こういう昭和からと思われる店がいまだ数多く並んでいました。
サイドにはなまずの幟がヒラヒラと並んでいました。
「なまずシール委員会」との名前が記されていましたが、この「なまず」をシンボルに町おこしがされたそうです。
で、このなまずシールというのは、昔懐かしのスタンプ式に集めるもので、商店街の該当するお店で100円買上げにつき1枚もらえて、600枚貯めると500円分の商品券として使える、とありました。
しかしこのスタンプシールの発行は、ナントこの平成30年8月限りだそうで、利用できるのも今年いっぱいだそうです。もうこのシールが発行されるのも今週の平日いっぱいなのですね。このなまずの幟も無くなってしまうのでしょうか?これが7年前の姿なので、今もあるのかどうかも把握していませんが。
商店街のイラストでの案内マップが商店街HPにありました。手づくり感が満載でいいですね、こういうの。
市役所前の駅からの歩きなので、当然この市役所も徒歩圏域な訳です。
割にこじんまりとしていますが、てっぺんの曲線が妙に印象的でした。羽島市の市章でも表しているのか、とも思いましたが市章のマークとは全然違ったものでした。
1959年竣工と結構な年数の経った建物で、コンクリート色そのものの部分が結構多い年季を感じさせるものでした。
歩いている中、随所にこのような落ち着いた街並みにお目にかかれます。
木造の家屋、商店など本当に多数目にしました。
2階部部分の高さの低い「つし二階」っぽい、江戸時代の雰囲気すら感じられる家屋が並んでいたり、どれほどの歴史ある家屋群なのか?と思わされるものがありました。特に伝統的建造物保存地区に指定されていたりという事はないようで、天然の歴史ある建造物群という感じでした。
竹鼻の観光スポットとして知られる「竹鼻別院」は、この拝殿が重厚感に溢れとても立派なものでした。
創建は1235年といわれ、1470年に蓮如が中興させたとされています。
その後何度も移転を繰り返したり、天災等による倒壊などを経て、現在の本堂は1915~22年頃に再建したものだそうです。
竹鼻別院といえば…
というぐらい、この藤棚は象徴的な存在です。
「美濃竹鼻藤まつり」というのがあるほど、ここの藤の存在感は絶大です。
毎年4月下旬から5月上旬までの藤が綺麗に咲き誇っている時期に開催されていますが、この写真の時期は11月初めの様子で、ちょうどそのピーク時の半年後、真裏の状態の時で藤棚はただの葉っぱの群れでした…。
竹鼻の町にある城跡ですが、場所の特定まではされていないようで、建物もおそらくこんな感じではないでしょうが、地域の象徴的存在のひとつとして存在感を放っている事は確かです。
応仁年間に築城がされたという事で、応仁の乱が1467年に始まったとされているので、その頃にできたようです。
しかし苦難困難続きで小牧・長久手の戦いで水攻めに遭い、関ヶ原の戦いでも多数の戦死者を出し、遂には落城したといいます。
現在は歴史民俗資料館になっていますが、ここで開催されているものが興味のあったもので想定以上に入り浸ってしまいました。しかも「本日 入館無料」とありましたので迷いなく入りました。何と、無料のとこばっかりでした(笑)
ちなみに通常は大人300円で中学生以下は無料です。また、歴史民俗資料館だけでなく、映画資料館でもあり、ここに惹かれて入っていった訳です実は。
映画資料館に入ってみるなりこんなでした。
個人的に超絶ツボのジャンルで、これは長く居る事になりそうだ、と直感した瞬間でした。こんな昔の映画のポスターや、当時ならではの関連資料がここには沢山あったのです。
かつてここには竹島朝日館という映画館があったのですが、1971年に閉館になって以降、建物だけが残ってしまい、1992年にここから当時の資料が大量に見つかった事を契機に保存活動を呼びかけたものの、市の財政難を理由に断念、朝日館は取り壊しとなり、1996年に当館は開館されたといいます。
所蔵の映画資料はナント50,000点余り、岐阜羽島にこんなすごい資料館があったとは!オドロキ以外の何物でもありませんでした。
それでこのクールス、「バイクと原宿をこよなく愛するチーム」として血判状でもって結成された筋金入りで、リーダーはあの舘ひろしさん(左から4人目)、相棒は岩城滉一さん など後のビッグネームを複数輩出するチームで、岩城さんは別で俳優デビューが決まっており、この中はいませんが、このチームの館さん以下の面々はロックバンドとして活動しながら、時々このように映画に出ていました。
この「暴力教室」という映画は、松田優作さん主演で1976年に公開されましたが、このクールスらが幅をきかせてのさばる荒廃した学園に赴任した不良バスター的な教師役が優作さんだった訳です。
クライマックスでの優作さんと館さんの「タイマン」での決闘シーンは、もっと語られるべき、と勝手に思っています。ストーリーはともかく、この2人の存在感そのものがものすごくて、演技力関係なしに見てるだけで迫力満点でした。
写真の下のメンバー紹介のところで、「ボス=館ヒロシ」と名前がカタカナ表記であったところが、当時の正確な表記であったのかどうか分かりませんが…。まぁこの時代は本当にTVや映画界に「ボス」が多かったものです(笑)
これはほんのごく一部だと思いますが、このポスターの数々、「゛オールカラー」とか「総天然色」とか言っていた時代でしょうか。
映画そのもののポスターた゜゛けでなく、このような映写機などのハード資料も沢山残っていました。映画といえばこのフォルムっていうぐらいお馴染みの形ですね。
映画館の方ばかりに目を奪われていましたが、民俗資料の方もしっかり展示してありましたので。
この神輿は昭和35年ごろ寄贈されたようで、近年もこのような神輿を担がれていたようですが、その後担ぎ手が居なくなったようでお蔵入りしている、と記されていました。
渡船場の標柱などもありました。
舟便りの時代が近年まで確実にあった訳で、なんでも便利になったのは良いことかもしれませんが、どんどん風情やのんびりした時の流れが失われていくみたいで、どうなのかな??と思ったりする部分もありますね。
といったところで羽島の旅終わりです。
本当はお寺も沢山あって、いちいち巡っていましたが、そのへんは実際にこの地で見られればと思います。オールド邦画ファンの方は、この資料館はうってつけだと思います。
新幹線で飛ばしてしまいがちな岐阜羽島ですが、少し足を伸ばせばよい旅ができるというものです。
それでは。
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