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2021年3月の3件の記事

2021年3月21日 (日)

昭和のドラマシリーズ「大都会シリーズ」

またまた昭和のドラマシリーズです。

今回は、前回の「西部警察シリーズ」の前身といえる「大都会」シリーズです。

 

「大都会」シリーズは1976(昭和51)年1月にスタートした、石原プロモーション初のテレビドラマ制作作品として華々しく登場し、制作者として「石原裕次郎」氏の名が明記されています。1979(昭和54)年9月まで全3作が制作されています。

それまで石原裕次郎氏は「太陽にほえろ!」のボスとして出演を続けていましたが、ここではあくまで一俳優としての立ち位置で参加しているのみであり、同じ日本テレビの刑事ドラマとして石原プロの制作作品として登場した訳です。

全3作は初作と2・3作目とに大きく分かれるのは西部警察と同じですが、西部警察シリーズが一貫してアクション路線だったのに対して、大都会シリーズは初作のみアクションと無縁の世界観が繰り広げられています。

 

①大都会・闘いの日々

放映期間:1976(昭和51)年1月6日~8月3日(全31回)

大都会シリーズの初作。下の写真のでっかく載っているツーショットが今作のものであり、下の小さいカットはPARTⅡ・PARTⅢのカットです。

渡哲也氏はこの時、病後の復帰作であり、昭和40年代後半から病気がちでテレビドラマでも途中降板を繰返す状況で、この時が実質的な復帰作となりました。彼が大都会で演じた黒岩頼介が西部警察の大門圭介に繋がる訳ですが、今作での黒岩は西部警察の3作も含めた計6作中唯一、「デカ長ではない」まったくの一ヒラ刑事の位置づけになっています。それとまだ「角刈り」ではなく、この写真からも分かるように髪を伸ばしています。(途中から角刈りになりますが) しかもサングラスも掛けていません。大門のイメージとは全く違うキャラなのです。

3

レギュラーメンバーは以下の通り

黒岩頼介 クロ 渡 哲也
滝川竜太(記者) バク 石原 裕次郎
黒岩恵子   仁科 明子
深町幸男 課長 佐藤 慶
一色光彦 課長代理 玉川 伊佐男
加賀見乙吉 係長 中条 静夫
丸山米三 刑事 高品 格
高木吾一 刑事 草薙 幸二郎
大内正 刑事 小野 武彦
平原春夫 刑事 粟津 號
清水英子 事務員 新井春美
松川 記者 宍戸 錠
日高明 記者 寺尾 聰
九条浩次 記者 神田 正輝
木内 記者 柳生 博
三浦直子 バーの女 篠ヒロコ

今作は暴力団担当の「警視庁捜査四課」と、新聞社とが暴力団がらみの犯罪を通してかかわるのが基軸として描かれており、アクション主体の後2作とは何もかもが違いすぎています。メインライターはあの倉本聰氏!作風も独特のスタイルだった訳で、犯罪を通して描かれる人間模様的な側面がかなり強く描かれています。

全31話と半年余りで終了し、メンバーの入替もなければ殉職等の人事異動も全くありません。

裕次郎氏は新聞記者、渡氏はマル暴の一介の平刑事という間柄で先輩後輩として何かと関わるのがメインのヒューマンドラマですね。

妹役には仁科明子氏、西部警察の大門の妹とは全く違うキャラで暗い影を落とした女性、それも兄の職業柄暴力団の報復に逢い輪姦された過去を持ち、これがストーリーに影響を及ぼすこともある、そのような位置づけの存在でもありました。

黒岩の所属する捜査四課の課長に佐藤慶氏、「深町軍団」として恐れられる警視庁きっての強硬派で、冷酷かつシャープな上司として君臨し、その下の課長代理に玉川伊佐男氏、係長には中条静夫氏と多くの上司が存在していました。平刑事ではベテランのマルさんに高品格氏、マルさんはPARTⅢの最終まで黒岩と行動を共にする事になりますが、今作だけは黒岩にタメ口を聞き、ヒラ刑事だった黒岩の完全に先輩にあたります。なので「クロ」と呼んだりして、後2作とかなりギャップがあります。マルさんの次にベテランの高木には草薙幸二郎氏、これまた大ベテランで、黒岩より年下なのは大内(小野武彦)と平原(粟津號)のみです。ちなみに20代の刑事はいません。

基本的に黒岩を中心にストーリー展開が進み、マルさんとコンビを組む形が多く、他の刑事は割と「その他」という感じでしたが、刑事では黒岩とマルさんと大内の3人だけがシリーズ全3作を完走する事となります。

新聞記者側は裕次郎氏と宍戸錠氏の松川とが2大ライバルという感じで、裕次郎氏側には後にPARTⅡで刑事を演じる神田正輝氏が新人記者・九条役で出演、本作がデビュー作であり、OPにも「神田正輝(新人)」と表記されていました。その先輩役としてこれまたPARTⅢで刑事を演じる寺尾聡氏が出演しています。この時はかなり影の薄い役柄でしたが…

そして黒岩と恋仲になる女性として篠ヒロコ氏が出演、まだカタカナ芸名だった頃でした。渡氏演じるキャラが恋をしているのも西部警察までの6作含めて本作だけであり、かなり異色作である事が窺えると思いますが、これが初作だった訳です。

 

②大都会PARTⅡ

放映期間:1977(昭和52)年4月5日~1978(昭和53)年3月28日(全52回)

大都会シリーズの2作目として、初作終了の8か月後にスタートした作品で、話数は全3作中最多の52話。

後の西部警察へつづくアクション路線はこの作品からスタートし、渡氏演じる黒岩もこの作品からデカ長へ昇進しています。(前作の黒岩との直接的な結びつきを語るエピソードは特になく、メンバーも大幅に変わっていて連続性はありません)

また、大都会シリーズで唯一人事異動があり、殉職者は2名。吉岡課長(小池朝雄)と平原刑事(粟津號)が10話と13話に立て続けに殉職、課長は総勢3名が入れ替わりしており、平原の殉職後14話に宮本(苅谷俊介)と神(神田正輝)が登場しています。

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主なレギュラーメンバーは以下の通り

黒岩頼介 クロさん 渡 哲也    
徳吉功 トク 松田 優作    
黒岩恵子   仁科 明子    
深町次長   佐藤 慶    
吉岡課長   小池 朝雄 1~10話 殉職
武井課長   小山田宗徳 11~31話  
山本課長   滝田 裕介 32話~  
丸山米三 マルさん 高品 格    
大内正 坊主 小野 武彦    
平原春夫 ヒラ 粟津 號 1~13話 殉職
上条厳 サル 峰 竜太    
宮本兵助 弁慶 苅谷 俊介 14話~  
神総太郎 ジン 神田 正輝 14話~  
吉野 看護婦 丘 みつ子    
宗方悟郎 医師 石原裕次郎    

大都会の初作と続き物のようでそうでないような感がありますが、そもそも舞台がマル暴から普通の刑事課になっている訳ですが、妹・恵子役は前作に続き仁科氏が出演、ただし前作より出番は激減し、また途中降板のような形でフェードアウトしていきます。これは演者の当時の状況によるそうで。

また前作で佐藤氏が演じた深町課長は次長に昇進という形で課を離れ、当初こそレギュラー扱いでOPに登場しますが、結局出てきたのは3回だけでした。

何より今作レギュラーの目玉として松田優作氏が起用された事がいちばんのニュースかといえます。当時暴力事件による謹慎等でいわば干され気味の状態から起用した格好で、数限りないアドリブと思われるセリフを繰り出して、今見てもとても新鮮に思えます。刑事課の面々も渡氏のリーダーとヒラ刑事では松田氏と、あと高品氏その他という感じでした。

その他、高品氏が演じるマルさんは今作から黒岩が上司となり「クロさん」と敬語で話しています。もっとも前作に対する言及は何一つなく、過去はなかった事のようになっていますが。これまた前作から出演の大内(小野武彦)は坊主、平原(粟津號)はヒラと今作から全体的にニックネームがつけられますが、これは他ならぬ「太陽にほえろ!」の影響なのでしょう。そんなヒラですが13話「俺の拳銃」で、自らが奪われた拳銃で人が狙われているのを発見し、その盾となって4発の銃弾をくらい殉職を遂げました。

そのヒラの殉職後に登場したのが、坊主頭で見るからにいかつい弁慶こと宮本(苅谷俊介)と警察学校出たてのエリート然としたジン(神田正輝)で、粟津氏の著書によると石原プロ所属の彼らを登場させたいがためのヒラの殉職となったようです。石原プロでもうひとり、今作初回から登場しているのがサルこと上条(峰竜太)で、まだ全然普通に二枚目の役柄で、バラエティーの要素皆無の峰氏をみるのもなんか面白いです。

課長陣は役者都合等で3人が入れ替わっていますが、最初の小池氏は水虫の治療ばかりしているようなイメージでのほほんとしていましたが、最後に刑事魂を咲かせて死んでいき、次の小山田氏は保身そのものの感じ、滝田氏の課長は割に物分かりが良く、たまに体張ってた感がありましたが、前作の深町課長のような強硬派はおらず、そこをデカ長となった黒岩が一手に担っていたのも今作からの作風といえます。

そして石原氏が演じたのは新聞記者ではなく、今作から渋谷病院の医師・宗方悟郎です。事件で負傷した被害者や犯人らを治療する医師の役どころで黒岩たちと深く関わりあい、犯人の証言取りを巡ってはお互いの立場で激しく対立することも多々ありつつ、結局は一番の理解者として黒岩に協力していくという立ち位置がPARTⅢの最後まで続いていきます。

ストーリー的に黒岩主役回と徳吉主役回が多く、たまに宗方の回や丸山の回などありましたが、その他の刑事の出番は断片的にはありましたが、ストーリー全体を転がすほどクローズアップはされてなかったように思います。

 

②大都会PARTⅢ

放映期間:1978(昭和53)年10月3日~1979(昭和54)年9月11日(全49回)

大都会シリーズの3作目にして最終作で、前作終了の半年後にスタートしPARTⅡ同様の1年間放送。

アクションがよりスケールアップし、集団アクション的要素が強まった作品で、完全に西部警察のプロトタイプともいうべき作品。

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主なレギュラーメンバーは以下の通り

黒岩頼介 デカ長 渡 哲也  
牧野次郎 ジロー 寺尾 聰  
虎田功 トラ 星 正人  
丸山米三 マルさん 高品 格  
大内正 坊主 小野 武彦  
上条厳 サル 峰 竜太  
宮本兵助 弁慶 苅谷 俊介  
加川課長   高城 淳一  
戸倉綾子 記者 金沢 碧 ~13話
宗方悟郎 医師 石原裕次郎  

今作から黒岩の妹の存在はなかった事になったようで、西部警察までの全6作で唯一、妹が登場しません。

初作以来で新聞記者役のレギュラーが登場し、金沢氏演じた女性記者が黒岩のやり方に反発を覚えながら、彼のやり方を理解しかけたというころにレギュラー降板となってしまいました。アクションに重点を置く事の現れだったのかもしれません。

刑事の人事異動は全くなく、1年間殉職もなく同じメンバーで乗り切りました。ただし弁慶役の苅谷氏が途中で大怪我をした為一旦休演後、最終回に辛うじて復帰できた格好になっています。

前作はメインのキャラとして松田優作氏の存在が圧倒的でしたが、今作は割と全員に均等とまではいかずとも、それなりにスポットが当たる格好で、逆に核となる刑事の個性はそれほどでもなかった感がありました。ただ初作で新聞記者役を飄々と演じていた寺尾氏が刑事ではメインの役どころで、これに続くのが若手の星氏というところでした。PARTⅡからの入れ替わりはこの2名だけで、他はすべてPARTⅡからの継続出演です。

課長は一貫して高城氏が務め、後に西部警察の2代目係長へつながっていったのかもしれません。

マルさんの高品氏は1919年生まれで本作放映中には60歳を迎えるところでしたが、ゲストでプロボクサーを引退したばかりのガッツ石松氏との激しい殴り合いを演じたりアクションシーンも少なからず描かれ、見た目にはかなりお爺さん然とした高品氏でしたが実は元ボクシングのチャンピオンという経歴を有しており、そのアクションには年齢を感じさせない説得力を感じました。

ジローの寺尾氏は西部警察のリキに繋がる役柄でしたが、リキほどの存在感も有能性も薄く、少し若いリキという感じで、また服装は一貫してほぼスーツでリキのようなカジュアルスタイルではありませんでした。弁慶の苅谷氏もまた西部警察のゲンにつながる体力男の役柄でしたが、人情味の描写などは少なく、キャラクターの深掘りがなく「わしは城西署の弁慶じゃ」と啖呵を切る場面がクローズアップされていました。

全体的に視聴率が好調で、最終回も25%を記録していましたが、テレビ朝日との条件が破格のものであったらしく、移行して「西部警察」が制作される事となったために終了となりました。これがなければ「大都会PARTⅣ」が放送されていたかもしれません。

という事で、同じ大都会シリーズでもかなり作風に変化があった本作でしたが、西部警察に繋がる萌芽となり、70年代後半の夜を熱狂させた番組でありました。

2021年3月11日 (木)

昭和のドラマシリーズ「西部警察シリーズ」

突然、昭和のドラマシリーズを自分の言葉で綴りたくなり、書きました。

今回は「西部警察」シリーズです。

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西部警察はシリーズ全3作あり、1979(昭和54)年10月から1984(昭和59)年10月までの5年間、常に高視聴率を誇った石原プロモーション制作の超人気アクション刑事ドラマで、派手な爆破シーンや車の破壊など、そのスケールの大きさから「テレビドラマの枠を超えた」ドラマとも評され、CG主流の現代では、もう絶対につくる事の出来ないドラマともいわれています。

この記事では、全3作をそれぞれ掻いつまんで触れてみたいと思います。

①「西部警察」

放映期間:1979(昭和54)年10月14日~1982(昭和57)年4月18日(全126回)

西部警察シリーズの初作。それまで日本テレビで好評放映中であった石原プロモーションの刑事ドラマ「大都会」シリーズの最終作「大都会PARTⅢ」を終了させ、舞台をテレビ朝日に移して、更にスケールの大きなドラマ作りを目指してスタートしました。

当初企画書では放映回数は26回で、それまでの大都会シリーズが1年間の放送に比べてその半分であり、短期集中で大量の物量作戦でインパクトのある作品を世に放つ意志の強い現れかと思いましたが、実際始まると好評に次ぐ好評で、最終的にちょうど100回プラスした126回、2年半もの超ロングランヒットとなりました。

レギュラー刑事陣は以下の通り

木暮謙三 捜査課長 課長 石原 裕次郎 1~126話※ 途中欠場あり
大門圭介 部長刑事 団長 渡 哲也 1~126話  
二宮武士 捜査係長 係長 庄司 永建 1~126話  
谷大作 刑事 タニさん 藤岡 重慶 1~126話 最終回限り
松田猛 刑事 リキ 寺尾 聰 1~123話 殉職
源田浩史 刑事 ゲン 苅谷 俊介 1~126話 最終回限り
巽総太郎 刑事 タツ 舘 ひろし 1~30話 殉職
兼子仁 刑事 ジン 五代 高之 1~54話 殉職
桐生一馬 刑事 リュウ 加納 竜 31~74話 出向
北条卓 刑事 ジョー 御木 裕 55~126話  
平尾一兵 刑事 イッペイ 峰 竜太 75~126話  
鳩村英次 刑事 ハト 舘 ひろし 109~126話  

その他、大門圭介の妹・大門明子役に古手川祐子、木暮課長の行きつけ「コーナーラウンジ」のマスター・朝比奈役に佐原健二、鑑識課員のロクさんこと国立六三に武藤章生といった面々がレギュラーメンバーとしてキャスティングされましたが、それまで大都会シリーズでは新聞記者や医師役であった石原裕次郎が初めて刑事役となって渡哲也演じる部長刑事をサポートする立場となりました。

石原、渡は勿論、継続のキャスティングですが、同じく石原プロ所属の寺尾聡、苅谷俊介も同様に大都会からのスピンオフ出演となり、後に峰竜太も1年半ぶりにレギュラー出演となりました。そんな中でキャストの目玉的存在はハーレーダビッドソンを乗り回すおよそ刑事らしくない刑事・巽総太郎でキャスティングされた「舘ひろし」でした。彼は契約の関係で当初放映の半年で満了になり、しかし番組は続いたため、最初の殉職者となってしまいましたが、1年半後に違う刑事として鳩村役で姿を変えて復帰しました。同じ番組で、同じ役者が、一度死んでいながらブランクを経て違う役で再登場するというのは極めて異例中の異例でした(「非情のライセンス」の左とん平が違うシリーズでの再登場はしましたが…)が、当時の舘ひろしの人気の高さを窺わせるエピソードであったと思います。

ベテラン刑事として「おやっさん」と呼ばれる谷刑事には藤岡重慶がキャスティングされました。「あしたのジョー」の丹下団平で人気を博し、役者としては悪役で鳴らした人ですが、ここでは厳しく人情溢れるおやじさんを演じていました。といっても番組スタート時は46歳の若さで貫禄十分でした。今の役者には絶対無理だろうなと思います。

シリーズ3作中で最長であったこともあり、殉職者は3名出ており、他に出向者も1名、その出向者はリュウこと加納竜ですが、彼だけがレギュラー刑事の中で唯一、最初の1話にも最後の126話にもいなかった刑事(途中で登場し、途中で退出)という事になります。

最初の殉職はタツこと巽刑事(舘ひろし)で幼稚園のバスに仕掛けられた爆弾を解体するためにバスを止めようとしたところを犯人の車に邪魔をされて、バイクが転倒、その際にバックミラーが腹に刺さり瀕死の身体でバスの爆弾を解体し、ヨロヨロとした足取りで空き地で爆弾を投げて、爆風に晒されて散っていきました。

2人目はタツの半年後、番組スタート1年の第54話、スタート時から新人として様々な経験を積んだ最年少のジンこと兼子刑事(五代高之)で、婚約者の女性の父親が犯罪に加担しており情報が筒抜けになり、その父親の居場所へ乗り込んだ際に銃撃に逢い、肩を撃たれながらも取引場所を聞き出し、一人で現場へ。大門はじめ先輩たちの到着を待つもなかなか現れず、このままでは犯人たちは逃げてしまう…、たまらず飛び出したジンは単身で何人もの銃を持った犯人たちに立ち向かう!しかし多勢に無勢、みるみるうちに白いシャツは犯人たちの凶弾を浴び真っ赤な血に染まり…。大門たちが駆け付けるや犯人たちは一網打尽、これを見届け婚約者へのエンゲージリングを大門に託し、静かに息絶えました。

3人目はまさか!でしたが中心刑事のリキこと松田刑事(寺尾聰)でした。番組終了を3話残した終盤の123話、マンホールに仕掛けられた爆弾の存在を仲間たちに知らせ、銃弾まみれで穴だらけになった車から出た瞬間、一度大門に撃たれたはずの男が最後の力を振り絞ってマシンガンを乱射、リキの身体は蜂の巣になり、全身を被弾し血を吐いて倒れる壮絶な殉職を遂げました。

タツの後任としてリュウが登場し、ジンの後任はやはり最年少のジョーが、リュウがインターポールへ出向した後にはイッペイが登場します。リキは後任はいませんでしたが、少し前にハトが登場していて少し早くやってきた後任というところでしょうか。

主演である石原裕次郎の病気療養による欠場もこの作品での出来事でした。リキ殉職後に課長復活という形で現場に復帰し、終盤に華を添えました。

ストーリー的には、基本的に前作「大都会PARTⅢ」を継承し、犯罪者は凶悪犯で射殺も辞さない勢いで悪を徹底的に倒すスタイルでしたが、回を重ねるにつれマイルドな時もあり、殆ど発砲シーンがない回すらあったほどで、大都会のような問答無用の射殺は段々と少なくなっていったように思います。ただ、対岸への車の大ジャンプやミサイル砲撃など、やはりスケールの大きさは衝撃的なものがありました。

 

②「西部警察PARTⅡ」

放映期間:1982(昭和57)年5月30日~1983(昭和58)年3月27日(全40回)

「西部警察」に続くシリーズ2作目。初作終了後5週間を「総集編」的に、厳選されたエピソードをアンコール放送し、その後にPARTⅡとして再開されました。シリーズ中で最も短期間で終了し全40回となっています。

レギュラー刑事陣は以下の通り

木暮謙三 捜査課長 課長 石原 裕次郎 全話  
大門圭介 部長刑事 団長 渡 哲也 全話  
二宮武士 捜査係長 係長 庄司 永建 1~14話 退職
佐川勘一 捜査係長 係長 高城 淳一 15~40話  
浜源太郎 刑事 ハマさん 井上 昭文 1~35話 殉職
南長太郎 刑事 長さん 小林 昭二 36~40話  
沖田五郎 刑事 オキ 三浦 友和 全話  
鳩村英次 刑事 ハト 舘 ひろし 全話  
平尾一兵 刑事 イッペイ 峰 竜太 全話  
北条卓 刑事 ジョー 御木 裕 全話  

その他、大門圭介の妹・大門明子役は古手川祐子から登亜樹子へ交代となり、設定も売れない劇画家から保母さんへ変更、「アニキ」と呼ぶ前作から「お兄ちゃん」と呼ぶかなり女の子らしい女性へ設定変更がなされました。また刑事たちの行きつけ「セブン」の女マスター・上村七重役に吉行和子が起用され、鑑識課員のロクさんこと国立六三は武藤章生で変わらず、武藤氏は渡哲也と並びシリーズ全作通して皆勤しています。

基本「西部警察」の続編ですが、そのままの続編という訳ではないようで、谷・源田という刑事たちが何の説明もなくいなくなっており(異動した?)、代わって浜刑事がいて、これをやはり悪役で鳴らした井上昭文氏が好演しています。前作の谷刑事のような檄を飛ばしてグイグイ引っ張るタイプではなく、愚直で背中で引っ張るようなタイプの「おやじさん」でした。

そして本作のキャスティングの最大の目玉はオキこと沖田刑事を演じる三浦友和氏の起用にあります。「三浦友和が西部警察に登場する」という事で当時大きな話題となり、当時の彼は山口百恵と結婚してまだ1年半頃で、年齢的にも30歳を迎え、それまでの甘い青年役からの脱皮を試みている時期で、大きな転換を迫られているという状況であったように思います。その表れか、髪はスポーツ刈りになり、それまでのイメージをこの役で一変させようという意気込みのようなものが感じられました。

そして彼の演じる沖田の登場で、本作はスタートします。この沖田刑事は警察においてエリートコースをまっしぐらに歩んできた男でしたが、ある事件で凶悪犯から女性を救出することを試みて、これに失敗し女性は射殺され、自身も腰椎に凶弾を撃ち込まれる事となりました。この傷が彼の余命を1年(当社は半年と言っていたような…)に限るものとなり、残された命の炎を完全燃焼し尽くすため、西部署へ自ら志願して赴任してきたといいます。

前作ではみだし的な役どころだったハトはオキと共に中堅コンビとして中心刑事に落ち着く事となり、前作で「ポッポ」「イッペイ」先輩後輩が曖昧だったハトとイッペイは今作では完全に「ハトさん」「イッペイ」と明確に先輩後輩の設定がなされました。また平刑事の中では最古参となるジョーは今作でも最後まで最年少で後輩なしの立場が続きました。

また今作はシリーズで唯一、係長が交代しています。独特の甲高い声で「だーいもんくぅーん」と叫び続けた二宮係長が退職して弁当屋へ転身し、代わって登場したのが高城淳一氏演じる佐川勘一係長です。高城氏といえば、大都会PARTⅢでも渡氏演じる黒岩デカ長をいびり倒す加川課長を演じており、実質的な「カムバック」になります。愛嬌があってどこか憎めないのが二宮係長でしたが、この佐川係長はある意味非情に徹せられるキャラクターで「この役柄はこの人!」という制作サイドの思いもあったかもしれません、このポジションは憎まれれば憎まれるほど、大門軍団の結束が強く感じられる事となるので、ある意味重要なものがあります。

殉職は1名ですが「おやじさん」の殉職で、ハマさんが最終話近い35話で幼い娘(引き取った娘)を遺して、連続殺人の凶悪犯に果敢に戦いながら静かに命を燃やし尽くしたのでした。これは演じる井上氏の健康上の理由ともいわれていますが、代わって登場したのが「ウルトラマン」のキャップや「仮面ライダー」のおやじさんで有名な小林昭二氏が起用され、南長太郎刑事として八丈島から赴任の形で登場しました。という形で、ベテランの殉職や退職の交代劇のみの人事変動がこのPARTⅡの特徴でした。

そして、シリーズ3作ある中でPARTⅠとPARTⅡ・Ⅲに大きく二分され、ⅡとⅢは純然たる続きもので、Iはちょっと違うところや、劇伴がⅠとⅡ・Ⅲで異なるところにもあります。何より大きな差は、PARTⅡから始まった「全国縦断ロケ」です。

PARTⅠでは単に「地方ロケ」として山梨や博多などを巡っていましたが、「全国縦断ロケ」は各都市に出向いて、ことごとくそれらを壮大なイベントにしたという点で大きく異なります。全国各地に多数のファンが押し寄せ、ライブイベントなども行われ、広島の市電を爆破したり、撮影も壮大な規模を誇り、テレビドラマとイベントが一体化し社会現象にまでなったほどでした。

壮大なロケ作品がつくられていく中、番組改編期の3月末を迎えるにあたり第40話にて終了を迎え、さして最終回らしくない最終回でした。

③「西部警察PARTⅢ」

放映期間:1983(昭和58)年4月3日~1984(昭和59)年10月22日(全70回)

「西部警察」シリーズ最終作。PARTⅡの完全なる続きもので、前作最終話とすべてが同じです。単に改編期の4月を迎えたのでPARTⅢになりました、という感じでした。

レギュラー刑事陣は以下の通り

木暮謙三 捜査課長 課長 石原 裕次郎 全話  
大門圭介 部長刑事 団長 渡 哲也 全話 最終回殉職
佐川勘一 捜査係長 係長 高城 淳一 全話  
南長太郎 刑事 長さん 小林 昭二 全話  
沖田五郎 刑事 オキ 三浦 友和 1~6話 退職
鳩村英次 刑事 ハト 舘 ひろし 全話  
平尾一兵 刑事 イッペイ 峰 竜太 全話  
北条卓 刑事 ジョー 御木 裕 全話  
山県新之助 刑事 タイショー 柴 俊夫 7~70話  
五代純 刑事 ジュン 石原 良純 8~70話  

その他、大門圭介の妹・大門明子役は登亜樹子が続投、セブンのママ・上村七重役の吉行和子は途中で降板します。

大きな特色としては、まず序盤に訪れる「オキの命のリミット」です。

最初と最後以外ほとんど語られず、忘れた頃に設定が甦ってきた感じでしたが、最初の設定はやはり「なかった事」にはならず、オキの身体は過去に浴びた弾丸が腰椎を確実に蝕んでいたのでした。意識が混濁したり時に血を吐いたり、身体の力が入らなくなり、最後の力を振り絞るように大門に手を添えられながら拳銃を握っていました。「もうこれ以上は…」と自らの死期を悟ったオキは退職届を出すや、冬山の彼方へ消えていき、誰も最終的にその行方を知る者がいないまま、永遠の別れとなりました。

これに続いて立て続けに2人の刑事が登場します。

一人目はタイショーこと山県刑事(柴俊夫)で、西部署へ赴任挨拶もしないまま潜入捜査し、居合わせたハトと互いに刑事と知り、それでも大ゲンカを繰り広げながら事件を解決しましたが、タイショーは若い頃、チンピラボクサーくずれでイキがっていて、大門にタイマン勝負を挑むもコテンパンに打ちのめされ、いつか見返したい、そんな一念で刑事になったといいます。以後はオキに代わるハトのパートナーとして捜査課をぐいぐい引っ張る存在となり、オキとは対照的な明るく気前のいいキャラクターで人気を博していきます。

二人目は最年少の新人ジュンこと五代刑事(石原良純)で、ジョーが登場以来2年半以上も最年少でしたが、待望の後輩誕生となりました。ジュンは今どきの若者らしく物おじしないタイプで、当初は空気の読めない感じもありましたが、経験を重ねるにつれ刑事らしく成長していきました。

オキの退場後はこのパワーアップした戦力で、番組終了まで1年半近くやってきました。何度か全国縦断ロケを重ねつつ、84年春の関西ロケを最後に、半年間はロケのない普通の話が展開され、最終回は通常時間枠の日曜ではなく、翌月曜日に3時間スペシャルとして放送された大門の殉職編でした。

国際テロ集団と大門軍団が離島で壮絶な戦いを繰り広げ、大門と原田芳雄氏演じるテロリスト藤崎の一騎打ち、刺し違えるように撃ち合い、テロリストは血だらけになって倒れながらも手りゅう弾のピンを抜き、建物は大爆破、大門は腹を撃たれてヨロヨロと爆破した建物から姿を現し、刑事たち全員が彼の元へ駆け寄った瞬間…

一発の弾が大門の胸部を貫通、テロリストが拳銃を持たせていた女が発射した凶弾でした。みんなの見ている目の前で撃たれ、みんなに囲まれながら静かに息を引き取った大門…。大門殉職の報を聞いた木暮課長は霊安室の遺体を見るや泣きじゃくって…。これが晩年の裕次郎氏の演技の印象的なシーンとしてよく取り沙汰されたものでした。

そして愛を育んでいたジュンと大門の妹・明子が結婚。大門は生前、二人の仲を薄々感じていたようで、その成婚の姿を直接見られなかったのが残念だな、と当時思ったものでした。

 

こうして西部警察シリーズの5年間は、大量の物量投入に明け暮れた5年間でした。

「もはやこんなドラマはつくることができない」そんな言葉がぴったりの何から何まで破天荒なドラマでした。

 

2021年3月 7日 (日)

ダイジェスト:「城」の街 (関東地方)

今回は、前回お送りしましたダイジェスト:「城」の街 (北海道/東北地方)に続いての第二弾として、関東地方のお城関連の旅記事のリンクをつけてお送りしたいと思います。

 

◆関東地方

茨城県下妻市

…多賀谷城跡という別名・下妻城とよばれたお城の城跡公園があります。ただし、往時を偲ぶものはあまり見られません。

 

栃木県真岡市

…ここもまた城山公園となっており、敷地内は塀で覆われて踏み入れられず。城山公園内に陣屋跡があります。

 

埼玉県行田市

…埼玉でも屈指のわかりやすい城下町で、「のぼうの城」の舞台として有名な「忍(おし)城」があり、昭和末期に御三階櫓が再建され象徴的な建物となっています。

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神奈川県足柄下郡真鶴町

…ここには荒井城跡という城跡があり、戦国・江戸期の城というより、武士の時代以前の御三年の役の時期に機能していたお城のようで、これまた公園になっています。

 

その他、小田原城や千葉城なども行ってはいますが、まだブログにあげてないので、少ないですが関東のお城関係で記事upしたものとこれぐらいになってしまいます。

次は中部地方の城下町を中心にあげたいと思います。

 

 

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