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2023年8月20日 (日)

生活と思い出と世の中と(1987年③)

遡って振り返る、「生活と思い出と世の中と」。54回目は1987(昭和62)年の第3回です。

当時見ていたTVや聴いていたラジオと絡めて綴ります。

 

●ドラマ(本放送)

「赤ちゃんに乾杯!」

 …荻野目洋子さんが主演ながら、富田靖子さん、伊藤かずえさんと同年代の主演級女優が共演し、彼女たちが演じる3人の若い女性たちがふとした事で男の赤ちゃんを育てる事になり、その奮闘ぶりを描いたもの。荻野目ちゃんの主題歌「北風のキャロル」も印象深かったです。

「あきれた刑事」

 …あきれた「デカ」、文字通り「あぶない刑事」の後番組です。しかし時間帯が日曜21時から水曜20時へ変更されたことが災いしてか、視聴率は伸び悩みました。「あぶない刑事」のような正統派の捜査課ではなく、主人公が普段は刑事であることを隠して生活する「潜入捜査モノ」と奇をてらいすぎたのも低視聴率の一因とされました。個人的には「あぶ刑事」よりこちの方が大好きなのですが…
 

 放映前のキャスティングで、時任三郎、永島敏行、関根勤…とあり、「時任さんと永島さんが刑事としてコンビを組んで、関根さんも刑事役で出るのか…」と思っていたら、レギュラー陣で刑事役は主演の時任さんとその上司の小林稔侍さんのみ。永島さんは、時任さん演じる内海刑事に金で雇われる形で助っ人として共闘するヤクザまがいの男だし、関根さんは内海刑事の住むアパートの住人で、売れない映画監督として金になる仕事にありつこうと絡んでくる役どころでした。

 初回は安岡力也さんはじめ、多くの悪役俳優をゲスト出演させ、「あぶない刑事」のスピンオフ的に初回だけ当時人気絶頂の仲村トオルさんを出して、気合の入りようでしたが、ストーリーが荒唐無稽すぎて視聴者がついていけなかったのかもしれません。

「アナウンサーぷっつん物語」

 …当時流行っていた「業界モノ」ドラマの先駆け的作品で、また当時の流行語である「ぷっつん」をタイトルにもってきました。

  岸本加世子さんが主人公のアナウンサー役で、同じくアナウンサー役で相手役となるのが「太陽にほえろ!」が終了したばかりの神田正輝さんでした。神田さんはこの後1クールおいて「恋はハイホー!」でも業界ドラマで準主演しています。

「暴れん坊将軍Ⅱ」

 …初作と同様、途切れなく4年余り放送して、この年初めに「Ⅱ」としては終了し、「Ⅲ」は翌年初にスタートします。
  「爺」役で出演していた有島一郎さんが最終回まで出演していましたが、放映終了後に逝去され、このドラマが遺作となりました。

「若大将天下ご免!」

 …「暴れん坊将軍Ⅱ」の後番組で、ポスト松平健として、橋爪淳さんを時代劇スターに育て上げようという意気込みが高校生ながら画面越しに伝わってきました(笑) 当初は真ん中の部分に剃りの入ったちょんまげ姿でしたが、後に総髪になってよりイケメン風に仕立てられていました。
橋爪さんは後に平成版「大江戸捜査網」に2作主演しますが、時代劇スターという感じだったのは、この頃くらいまでだった気がします。

「アリエスの乙女たち」

 …過酷な設定と大げさなセリフで時代を彩った「大映ドラマ」の作品で南野陽子さんが主演しました。大映ドラマのフィルム映像はこの作品が最後でした。また、それまでの大映ドラマの設定が時代に合わなくなってきている感もありました。ちなみに南野さんの母親役として野川由美子さんが出演し、以後南野さんは野川さんを「芸能界のお母さん」として慕うようになったといいます。
 松村雄基さんの演じた「司」は陶芸の窯の爆発事故で失明しますが、以前には「ポニーテールは振り向かない」のラストで死んでしまったり、とにかく過酷な役どころが多かったですね。

「プロゴルファー祈子」

 …祈子と書いて「れいこ」と読みます。
  「アリエスの乙女たち」の後番組で、この作品から大映ドラマはビデオ映像になり、それまでの過酷な設定や大げさな芝居が浮いてしまう格好となりました。安永亜衣さんがプロゴルファーを目指す役として主演し、彼女の当たり役となりました。

「母さんと呼びたい」

 …昼帯の「花王 愛の劇場」の作品。この時代、毎年夏休みになるとこの枠では「わが子よ」シリーズが放映され、母親役は必ず小林千登勢さん、娘役は代々変わりながらも、「親子で見る」ことを狙いとして、感動を呼ぶ作品が放送されていました。

 この年はそれまでの「わが子よ」ではなく、親子ではない(だったか?)設定で、同様の感動路線のドラマが制作され、小林さんの一連のシリーズもここで終了となりました。

「恋に恋して恋きぶん」

 …このドラマは本編はほとんど見てないのですが、当時のTBSにあった「キンコーン」という音と共になされる次の時間枠紹介でよく見ていました。とにかく出演者が「濃かった」のをよく覚えています。主演がMIEさんで、相手役に布施明さん(!)、他にも西川峰子さん、西城秀樹さん(!)等、歌手活動を結構やってる面々がドラマにドーンと出てきた感じでした。

「恋はハイホー!」

 …菊池桃子さん主演のやはり「業界ドラマ」で、彼女がADとして奮闘する姿を中心に描かれていました。テレビ局に身を置く役として神田正輝さんが「アナウンサーぷっつん物語」に続いて登場しました。当初から3ヶ月と思っていましたが、半年のところが打ち切りだったようです。19時台のドラマという時間枠が合わなかったのかな?とも感じました。当時こんな早い時間帯に1時間ドラマはなかったので…。

「江戸を斬る」

 …「江戸を斬る(Ⅶ)」とされますが、1975(昭和50)年に「江戸を斬るⅡ」から1981(昭和56)年「江戸を斬るⅥ」まで西郷輝彦さんの主演で放送された人気シリーズでしたが、6年ぶりに里見浩太朗さんの主演で放送されました。里見さんはこの作品の後、「水戸黄門」で最後の助さん役へと続きます。

 小松政夫さんが色川伝兵衛という敵キャラ的な同心で出演しますが、後に「翔んでる!平賀源内」では赤垣平助、「大岡越前」ではその合名の「赤垣伝兵衛」として出演する事となります。

「水戸黄門」(第17部)

 …初回で、前作レギュラーだったせんだみつおさん演じる「煙の又平」が壮絶な殉職を遂げ、黄門様が命を狙われ続ける波乱のシリーズでした。また野村将希さんが「柘植の飛猿」として初登場し、再び脚光を浴びるようになりました。飛猿は当初ダーティなキャラでしたが、次第に味方キャラへシフトしていくようになりました。
 また、里見浩太朗さんの助さん役は今作がラストでした。第3部から16年間も演じてきて、すっかり主演俳優になっていてもまだ助さんをやっていましたが、50歳を過ぎてようやくの卒業となった感じでした。

「親子ジグ・ザグ」

 …長渕剛さんの「親子ゲーム」に続く主演作で、タイトル通り前作同様に疑似家族ものでした。
 相手役に安田成美さん、その母に白川由美さん、長渕さん演じる勇次の母役には李麗仙さんが扮していました。
 そして子役の伊崎充則さん演じるイサムの演技も印象深いものがありました。

 長渕さんの陽キャ的な役どころは連ドラとしてはこれが最後で、その後は髪型も変わり「とんぼ」などの路線へ変わっていきます。
 この2年前に長渕さんは「勇次」という曲をリリースしていますが、相当この表記のこの名を気に入ってるのかなと感じました。
 当時は柴田恭兵さんが「あぶない刑事」で演じた「大下勇次」や、かつて「必殺仕事人」シリーズで中条きよしさんが演じて好評を博した「三味線屋の勇次」など「勇次」はカッコいい男の名前の象徴的なものだったと思います。

「ザ・ハングマン6」

 …それまでザ・ハングマン「Ⅴ」などとローマ数字だったものが、本作では「6」と数字になりました。

 前作ザ・ハングマンⅤは山本陽子さんが主演し主婦がパートでやるハングマンという異色すぎる設定でしたが、2年ぶりに名高達男さんが主演し、元の路線に戻す感じで、名高さんも「満を持して」再登板という感じでした。それまで充電期間的にほとんどテレビに出ていませんでしたが当時の週刊誌に「2年間の武者修行の成果を発揮する」として今作に臨んだ、と書いてあった記憶があります。

 今回はメンバー全員がカメラマンの設定で、前年まで「必殺仕事人」の「なんでも屋の加代」として人気を得た鮎川いずみさんが「アイリス」役として起用され、金にがめつい役柄はそのままに(笑)、「それまで加代ちゃんとよばれていたのを「愛ちゃん」(立花愛役)と呼ばれるようになりたい」と意気込みを語っていました。
 若手イケメンで棒術を使う「スポット」には川野太郎さん、体育会系の象徴みたいな真面目キャラで、いつも鮎川さんのアイリスから妹を紹介されては断るのが定番でした。そして中年の怪力男「アンクル」として梅宮辰夫さんが扮していました。この役柄は以前「新ハングマン」で盟友・山城新伍さんが演じていた「チャンプ」の役柄同様、中年のスケベオヤジで、山城さんと違うのはナンパはするけど、カッコいい雰囲気をもった強い男であった点で、梅宮さんがジーンズの似合う役どころとして最後に演じたものではないかと思います。

 指令を送る「ゴッド」は今作では姿を現さず、毎回コンピュータを通して指令を送っていました。
 そしていつものハンギングで悪を召し取った後に今作では、見せしめとして「モルモット小父さん」が登場し、稲川淳二さんが毎回派手にやられて、捉えられた悪を震え上がらせていました。当時の稲川さんは、後の怪談で人気を博す前の「体当たり芸人」でうってつけの役でした。

 特番で、初期ハングマンで活躍しリーダーにもなった黒沢年雄さん演じる「マイト」が単発ながら復帰したのはかつてのファンを喜ばせました。名高さんの役柄が当時とは別人設定であったため、完全なる再会とはなりませんでしたが、この枠でかつて共演していた「黒沢×名高」コンビの復活は嬉しいものでした。この2人は他にも共演作が複数あります。

 相当な意気込みで臨んだ名高さんでしたが、自身のスキャンダルが報道された為、当初予定の半分程度で降板する事になったのは、何とも残念でした。

「ザ・ハングマン6」のカット

Cap0021

「ハングマンGOGO」

 …ザ・ハングマン6で名高さんが急遽降板した為、主演以外のキャストをそのまま残して、主演には渡辺徹さんが起用されました。

  知能指数200で東大卒のエリートという通称「ダブル」役として登場しますが、その実はかなりのいい加減なお調子者で、その上かなり太った男で「ダブルサイズの"ダブル"じゃないか?」と言われ、彼はカメラとは全く無関係で、普段は「豚珍軒」という移動屋台のラーメン屋をやっていました。
 当時既にハングマンシリーズの終了が決まっていたようですが、「ハングマンもここまでギャグ路線になったか?」と思ったものでした。
1980(昭和55)年の「ザ・ハングマン 燃える事件簿」のスタート当初は「ハードボイルド」をOPで標榜し、命を捨て戸籍を抹消した悲運の人間たちがひっそりと悪を裁く物語で、最初の2作は殉職者も複数出るハードそのものの路線でしたが、今作になるとハンギングの前に♪楽しいハンギング 愉快なハンギング ハンギングハンギング と歌う始末で、とにかくギャグ満載の路線になっていました。

 渡辺徹さんは当時、榊原郁恵さんとの結婚が決まっていて、劇中でも「彼女との結婚資金を貯めるため」ハングマンになったという設定でした。この当時が彼の体重のピークであり130kgぐらいになっていたといい、徹さんの体重ピーク時の姿を今作で見ることができます。
 ただしそこは「太陽にほえろ!」のラガー刑事役で鍛えたアクションも生かしており、肥満体ながらにカッコよくキメるところはキメていて、ここに彼の魅力があるのだと感じられ、法で裁けない悪を裁くハングマンの基本フォーマットは崩すことなく続いていきました。

 本作の終了をもって連続ドラマとしてのハングマンは終了し、その後何度か全くの別キャストで単発ドラマが制作されています。

「三匹が斬る!」

 かつて「三匹の侍」という時代劇がありましたが、それを彷彿とさせる作品で、長期にわたって人気を博しシリーズ化され、その初作がこの年放送されました。

 高橋英樹さんの「殿様」はいかにもそんな雰囲気で、いかにも浪人者は役所広司さんが演じた「千石」、コミカルで槍を武器にした「たこ」には春風亭小朝さんが扮し、この3人の活躍を主軸としていました。

 個人的には役所さんの役で最も好きでしたが、それまでのキチっとした役どころより、こういうはみ出し者の方がこの人はカッコいいなと思ったものでした。彼が売れてしまったことで、後のシリーズではレギュラーを外れ、近藤真彦さんが後任を務めたりしていました。

「太陽にほえろ!PART2」

 …前年11月にスタートし1クール限定で「PART2」として放送されましたが、2月に終了し、14年半の「太陽にほえろ!」はここに終了する事となりました。

 最後は奈良岡朋子さん演じる女性ボスの過去や家族を暴く事件で、かなり落ち着いたタッチのストーリーで、かつて誰もが憧れた「太陽-」の姿はもはやありませんでしたが、つくづく刑事ドラマの転換期を感じたものでした。

「ジャングル」

 …約15年放送されてきた「太陽にほえろ!」が遂に終了し後番組として制作されました。

 何かにつけて「太陽-」と比べられ制作陣は難しかったと思います。自分も高校から帰ってきて「太陽-」の代わりに、これからの金曜の楽しみになるのだろうか??と思いながら見ていました。


 「私鉄沿線97分書」などで刑事役として人気を博していた鹿賀丈史さんを係長役で主演に据え、「太陽-」に半年しか出られず消化不良気味だった西山浩司さんを引続き刑事役で起用し、ヤクザか刑事か?危なっかしい元マル暴の刑事に桑名正博さんを据え、また「太陽-」OBから勝野洋さんが起用され「テキサスの10年後」のようないかにも体育会系の中堅キャラで見せてくれました。竜雷太さんも刑事部長役で出ていましたが、ほんの数回で自然消滅し、課長役は江守徹さんであまり出演なく、途中で課長をボス的役どころにする案も出たようでしたが結局は鹿賀さんを中心に回っていきました。

 「太陽-」の二番煎じを避けるためか「新しい刑事ドラマ像」をつくる事を標榜していましたが、初回から連続もの的に(その4)?くらいまで同じ事件が解決せずに続けられ、視聴者層が離れていったと聞きました。結局それで「太陽-」路線に戻していこうとなったのだと思います。

 最終回は若手の磯崎刑事(山口粧太さん)がライフルで蜂の巣になる壮絶な殉職を遂げましたが、ストーリーと関連性がなくここで彼が殉職する必然性もなく、それまでの彼の見せ場も大してなく、ただ最終回に誰か殺したかっただけ?と感じてました当時は。桑名さん演じる小日向刑事の退職の伏線になったぐらいかな、という感じでした。小日向は磯崎がライフルの的になった事を知りながら叫びをしたものの、「走れなかった」のが刑事として終わってると感じて退職する、という幕引きでした。

 そして翌年「NEWジャングル」へとリニューアルし新人刑事の成長物語を描くまさに「太陽-」路線を踏襲していく事となります。

「あぶない刑事」

 …前年10月にスタートしましたが、当初は爆発的人気はなく、それまでのアクション刑事ドラマとそう変わりない感じでした、人気面で。
 87年になって、刑事たちのオシャレな衣装がクローズアップされだしてから人気に火がついたように思います。
 柴田恭兵さんの大下刑事も当初はトレンチコートとかラフな格好が多かったですが、ジャケットにパンツの色を違えたりとか、舘ひろしさんはそれまでの「西部警察」のような黒は変わらずでしたが、夏になると白のサマージャケットとパンツに白のシャツと白づくめで、個人的にこの格好はすごく憧れました。

 前番組の「誇りの報酬」同様に半年の予定が延長され1年間の放送になったといいますが、まさか30年以上も人気を維持するとは誰も思わなかったでしょう。この年の暮れに劇場版映画が製作され、1989(平成元)年までは毎年1本のペースで映画化されました。この時点でかなりの人気が窺えました。

「やるっきゃないモン!」

 …正式タイトルは「痛快婦警候補生・やるっきゃないモン!」でした。
  当時流行った言葉ですが、社会党の土井たか子委員長の放った言葉がタイトルになったものでした。

 富田靖子さんが主演し、婦警候補生が刑事事件にも巻き込まれながら日々奮闘する姿が描かれ、かつて大ヒットした「スチュワーデス物語」の婦警候補生版という感じでした。両作品に山咲千里さんが出ているのが面白いところですが、「スチュワーデス-」では訓練生役で、ここでは教官役でした。

 「スチュワーデス-」同様に主人公はドジで一生懸命なタイプで、その班に5人くらいいて、コメディ系もいればクールタイプやぶりっ子系、関西人、チャキチャキ系など、キャラ分けは全くおんなじでした。
 京本政樹さんがまだ完全に二枚目路線の頃で、イケメン教官を演じていて、彼に惚れる訓練生が病気で頭を丸める事となり、そのあたりのつらいエピソードも放送されました。個人的には苅谷俊介さんが演じた鬼の堂本教官の出演が嬉しかったですね。「ゲンがこの枠に戻ってきた」という感じで。「西部警察」で無骨ながら強い男・源田刑事(ゲン)を演じ、その後考古学を極める為石原プロを離れた後で久々に見たもので。

 主人公・香里(富田靖子さん)の憧れの教官は林隆三さん演じる宮崎教官で、厳しくも暖かくて面倒見がよい教官で渋い大人の魅力を感じたものでした。OPで林さんがビリヤードでキメるシーンがありますが時代を感じます。ちなみに富田さんと林さんはこの後「ヘイ!あがり一丁」でも共演します。

「制作二部・青春ドラマ班」

 …中村雅俊さん主演のこれまた「業界モノ」で、TV局のドラマ制作班が舞台でディレクターとして奮闘する姿を中心に描かれていました。
 中村さん演じる「大沢」が、自身の若い頃のような「青春ドラマ」をつくりたい、と情熱を燃やしますが、今やそんな時代は遠い昔、時代は変わって根性論なんてやってられない、という感じで周りの人間はついていけない感じを出していました。

 制作される青春ドラマに起用されたタレント役の筆頭として木村一八さんが起用され、彼を中心にストーリーが動きましたが、暴力も振るう不良キャラはその後を感じさせました。杉浦幸さん小沢なつきさんなどもここで売り出されていました。

 スタッフ陣はヒロインに賀来千香子さんが起用されましたが、その他がかなり異色で、古舘伊知郎さんが中村さんの後輩役として起用されました、製作がテレビ朝日なのもあったかもしれませんが…。他にも同僚が泉谷しげるさんだったり、女性上司?が中山千夏さんだったり、普段ドラマであまり見ない方々がレギュラーだった感がありました。中村さんの父親役は前田武彦さんとこれまた異色でした。

「制作二部・青春ドラマ班」のワンカット

Cap0011

「特捜最前線」

 …3月をもって、10年間の放送に終止符が打たれました。
  最後は三部作になっていて、橘(本郷功次郎さん)、桜井(藤岡弘、さん)、そして神代(二谷英明さん)とそれぞれに焦点をあてながら、最後は神代課長が重傷を負いながら事件を解決し特命捜査課が特命捜査「部」に昇格し、神代が部長、特命捜査部の下に特命一課と二課が新設され、橘と桜井がそれぞれ課長に、という人事異動事例がラストシーンだったでしょうか。
 この終了直後に初期からの再放送がスタートして、この時に初めて初期メンバーを知りました。残っていたのは神代と桜井だけで、桜井は当初はエリート警部だったものの、後に暴走行為で警部補に降格となりながら、よく課長にまでなったな…と思ったものでした(笑)

「大都会25時」

 …「特捜最前線」が10年間の放送を終え、新たな刑事ドラマを模索していたテレビ朝日が制作したドラマです。ただし「特捜-」の枠ではなく、水曜21時からでした。
 主演の係長に小野寺昭さん、中心となる刑事に山下真司さんと「太陽にほえろ!」コンビを起用し、気合いを感じました。二人とも「太陽にほえろ!」で演じた役柄のその後を感じさせてくれました。「殿下が上司になったら」「スニーカーが中堅になったら」という感じで。
 山下さん同格の通信担当的な役どころに大和田獏さん、女性刑事には音楽方面で有名な真梨邑ケイさん、若手にはアイドル的人気だった湯江健幸さんを起用するなど、異色ながらなかなかのキャスティングでしたが、事件に焦点が当たり過ぎたか刑事のキャラはある程度明確だったように思いますが、それがいまいち発揮されないまま回を重ねていった気がしました。

 思っていたアクション路線ではなく中途半端に人情路線だったり、この当時刑事ドラマが大転換期にありましたが、「あぶない刑事」以外は視聴率的にはほぼ失敗した感がありました。
 小野寺さんと同格の別班の係長に平田満さんが黒縁メガネでエリート感丸出しで出てましたが、この人はそっち系じゃないだろうと思ってみてました。彼らを束ねる課長には財津一郎さん。途中でいきなり坊主頭になってビックリしました(笑)

「ベイシティ刑事」

 …「大都会25時」の後番組で、引続き刑事ドラマ枠として制作され、藤竜也さん×世良公則さんのコンビでヨコハマを舞台に派手なアクションとオシャレな会話で送る刑事ドラマでした。「あぶない刑事」同様ヨコハマが舞台でカッコいい雰囲気はありましたが、「無国籍風」に偏っていた部分が独特で、また刑事たちは「別動班」という捜査課で扱わないような事件を担当するはみだし部署でした。そんな作風が災いしてか?同時期に放送された「あきれた刑事」共々視聴率的には苦しみました(個人的に、この2作は大変好きなのですが…)

 藤竜也さんは6年前に「プロハンター」で演じた「水さん」とおんなじ、ヨコハマを舞台にオレンジのフライトジャケットとジーンズのいでたちで、完全にそのまんまでした。制作会社もテレビ局も全然違うのですがなぜ?というぐらい…。世良さんはオールバックで、ワッペンをベタベタ貼った黒のフライトジャケットにジーンズで、この二人、半年間ほぼ毎回おんなじ服装でした(笑) 当時はMA-1が流行し始めた頃で、その表れだったと思います。また、ビリヤードブームでもあり、この作品でもプールバーがよく出てきました。

 班のマスコットにおさまらず捜査活動もバリバリしたいジャジャ馬的な刑事に石川秀美さんが扮し、彼らをまとめる「班長」にはいかりや長介さんが扮していました。上司に対して全くいう事を聞かない主人公たち、という点では「あぶない刑事」と共通していて、いやりやさんはコミカルなたたずまいでガミガミ言いながらも事件は部下に任せきりで情けない中年男を演じていましたが、いざとなると情に厚く捜査課からのバッシングから部下たちを守る事もありました。

 毎回ハードな銃撃戦が定番でしたが、その無国籍作風は後に隆盛する「Vシネマのはしり」ともいわれ、そういう意味で影響力のあったドラマだと思います(世良さんの「クライムハンター」出演の伏線にはなった事でしょう)。
 ラストは船上で時限爆弾に気づかず呆気なくコンビが爆死してしまいました。その前に世良さん演じ星野刑事が狙撃警官の暴発でライフル弾を何発も浴びて瀕死の状態でしたが…。

「銭形平次」

 …昭和41~59年まで888回続いた大作ドラマで故・大川橋蔵さんが演じていたあの銭形平次が、風間杜夫さん主演で1年間放送されました。
  風間さん自身もこの大川版銭形平次には無名時代ゲストで出ていました。

  この主演が後の「八百八町夢日記」へ続き、風間さんも里見浩太朗さん同様、この日本テレビ火曜20時枠の顔となっていきます。
  平次の夫人・お静には宮崎美子さんが扮し、かわいかった覚えがあります。子分の八五郎には当時無名だった木場勝己さん、ライバル?三の輪の万七役は左とん平さんで敵キャラにはピッタリな配役と感じました。

「必殺仕事人Ⅴ・風雲竜虎編」

 …前年11月より「必殺仕事人Ⅴ・旋風編」が放送されていましたが、レギュラーの出門英さんのスケジュールや視聴率低迷等でテコ入れの形となって出門さん演じる夜鶴の銀平とひかる一平さん演じる西順之助が、仕事後の火の不始末がもとで乗っていた船が爆破し、川に投げ出されて命を落とすという、必殺シリーズでは'80年代に入ってここで初めてレギュラーの殉死がありました。

 これを経て、間に別作を挟まずに連続して「仕事人シリーズ」としてスタートしたのが本作でしたが、大きな目玉は出門さんに代わって三浦友和さんが「かげろうの陰太郎」として新しい殺し屋役で登場した事です。普段は南京玉すだれを持ち歩く大道芸人ですが、殺しとなると玉すだれを自在に操り、離れた場所の敵を仕留めるという形でした。村上弘明さんの鍛冶屋の政は継続出演となり、かとうかず子さんのお玉は「便利屋」を廃業し、影太郎と大道芸をする役どころとなりました。

 元締めではありませんが仲介役として「絵馬坊主の蝶丸」役で桂朝丸(ざこば師匠になる直前)さんがギャグメーカーの役どころをやっていました。この終了をもって、昭和のレギュラー作としての仕事人は終了し、その後は年に2、3本単発の2時間ドラマ「必殺スペシャル」として制作が重ねられ、藤田まことさんや村上弘明さんらは継続出演していきます。

「必殺剣劇人」

 …昭和の必殺シリーズとしては最後の連続ものとなり、10月には曲の改編で必殺シリーズの終了が決定していた為、9月までの8回分つなぎとして放送されたような作品でした。

 大きなガマガエルに乗って派手なメイクで登場して見栄まで切るという、それまでの必殺シリーズでは到底考えられないようなド派手で荒唐無稽な作品でした。それまでの人知れず闇に葬る、のと全くの対極をなしていて、殺しのエンタメの要素を注入した、そんな感じでした。
 ただキャストは安定したもので、主演が9年ぶりの必殺レギュラーとなる近藤正臣さんで、他の殺し屋役は田中健さん、あおい輝彦さんという盤石の体制できた、なと感じました。近藤さんは得意のトランプ芸をここで披露していました。

 元締め的な女将は二宮さよ子さん、この方が表舞台に出るのは結構レアさを感じます。そしてストーリーを回していく「お七」という10代の女性に工藤夕貴さんが扮していました。お七は、前述3人の殺し屋(それぞれ別の生業があります)のうちの誰かの子、という設定があり、3人に対してそれぞれ「○○(名前)父ちゃん」と呼んで慕っていました。
 毎回お七が遭遇する許せない事件に対して「恨みを晴らしてよ」と3人の父親に訴えかけますが、3人とも意に介さず、お七に無視されながらも毎回その標的を成敗するためにド派手なメークをして(メークをしてるのはお七に彼らが殺し屋であることがバレないようにするため)大きなカエルを膨らまして、お七の見ている目の前でまるでお祭りのような雰囲気の中、胸のすくような大活躍で悪をバッタバッタとなぎ倒し、その後3人の父は何もなかったかのようにお七の前で振る舞う、というのが基本フォーマットでした。

 最終回、必殺シリーズとしても連続では最終回となる回で、藤田まことさんの中村主水が登場し、派手な殺しっぷりに納得がいかないが助っ人として参戦するという夢の競演が実現し、この回は派手な立ち回りは抑えつつも、レギュラー3人はそれまでの仕事人の殺し技をパロディーでやるという最後まで遊び心に満ちた楽しい作品でした。

「男女7人秋物語」

 …前年に「男女7人夏物語」の大ヒットを受けて制作された続編です。
 明石家さんまさん、大竹しのぶさん、片岡鶴太郎さん以外はガラリと変わり、山下真司さん、手塚理美さん、岩崎宏美さん(!)などが出てきました。前作の方が豪華だった気もしますが、当時の色々な流行と相まって、視聴率を一度も落とすことなく最終的に36%まで跳ね上げたのが素晴らしく、主題歌「SHOW ME」を歌う森川由加里さんもブレイクする効果も生みだしました。さんまさんとしのぶさんが結婚するのはこの翌年の事でした。

「Wパパにオマケの子」

 …中村雅俊さんと片岡鶴太郎さんが生みの親育ての親としてそれぞれいて、この2人が同居してのバタバタ劇という記憶はありますが、あんまり覚えていないです。かつて「カックラキン大放送」のやっていた時間帯に30分ドラマとして放送されていました。

「パパはニュースキャスター」

 …田村正和さんが広く世間に認知された作品といっても過言ではないでしょう。
  それまでは大人のラブロマンスの相手役的な感じで、主要な役柄を演じ続けてもいて、コミカル系では「うちの子に限って」などもありましたが、そんなブレイク感がなく、ここでブレイクした感がありました。これまた業界モノですね。ホントに流行に乗っていくつものドラマが制作されたものでした。

「ママはアイドル!」

 …ミポリンこと中山美穂さんが、「中山美穂」の役柄で継母役を演じていました。
 三田村邦彦さん演じる男性と再婚し、そこの子供たちとうまくいかなかったり、自身がアイドルであり継母であること等で色々とドタバタを繰り返していました。三田村さんの子供役が永瀬正敏さんと後藤久美子さんという豪華さで、後藤さんはこの時期くらいからブレイクし、「ゴクミ」ブームを巻き起こしました。

「毎度おさわがせします」

 …小野寺昭さん主演で2作放送され、思春期の性にズバッと切り込んだ作品でしたが、勝野洋さん主演で3作目として制作されました。

 先述の出門英さんのスケジュールはこの作品との掛け持ちもあったと思いますが、勝野さんも「ジャンクル」と被っていた思います。この作品では立花理佐さんがブレイクしたかなという感じでした。多くの若手俳優が出ていたもののあまり長続きしなかった方が多かったような。

 

※86年10月以降にスタートし、87年3月までに終了したドラマは1986年の記事に譲ります

 

◆ドラマ(再放送)

初めて見た再放送作品について

「特捜最前線」

 …3月に終了しましたが、早速初期分が再放送されていました。後期しか見ておらず初期は初見でした。
 初期は結構派手で銃撃戦もあったり、アクションも結構あって個人的に好みでした。
 藤岡弘、さんの櫻井刑事はアウトローではなく、正義感に満ちたエリート警部だったのが逆に新鮮でした。
 荒木しげるさんの津上刑事は前の再放送で殉職前しか見てませんでしたが、OPの激走シーンがカッコよかったなとか、紅林(横光克彦さん)や橘(本郷功次郎さん)は初期メンバーではなかった事を知ったり、その橘の登場時はヒゲ生やしてて髪も長くて別人のようだったとか、櫻井は1年で一旦退場してるとか色々知ったものでした。何より西田敏行さんが刑事役でレギュラー出演していたのを全く知らなくてこれが驚きでした。

「翔べ!必殺うらごろし」

 …和田アキ子さんが「必殺」シリーズにレギュラー出演していたとして「テレビ探偵団」で紹介され、奇想天外感がすごかったこの作品、この年の秋に地元のサンテレビで再放送され、毎週水曜22時、週に1度の放送ですが楽しみに見ていました。
 まず金をもらって成敗するという必殺の基本フォーマットがなく、許せぬ悪を本能のおもむくがままに成敗する格好で、主人公や殺し屋メンバーに具体的な固有名詞で呼ばれる者がなく(先生、若、おばさんなど)、ほとんどのメンバーが髷を結わない現代風髪型で出演していたり、色々と荒唐無稽でした。
 しかも定職を持たない行者とその一行という感じで、和田アキ子さん演じる「若」は大きくて怪力で、男と間違えられて育ったという夜を拗ねて生きている女性で、特に武器を持たず、パンチや蹴りで相手を撲殺するという殺し技の持ち主でした。主役・中村敦夫さん演じる「先生」は、普段持っている旗のついた大きな木の棒を投げつけて相手を串刺しにするというこれまた豪快な技で、市原悦子さんの「おばさん」は「日本昔ばなし」の口調で優しくささやきながら近寄っていき、相手に飛び込んで刺し殺すというこれもある意味怖すぎる殺し技で、あまりに必殺の世界観が崩壊しきっていた為視聴率が最悪で、必殺シリーズ打切りの危機を迎えたいわくつきの作品であった、とも後で知りました。

 

◆ラジオ番組

「国広正夫の興奮アリーナ」

 …どこかでこれについて触れておきたいと以前から思っていました。
 プロ野球中継のなくなる秋から冬にかけて、長時間の帯番組として平日放送されていたのですが、当時部屋にテレビがなかったので、よくラジオのツマミを回してあれこれ聴いてるうちにこの番組に行き着きました。

 当時ラジオ関西のアナウンサーだった国広正夫さんをメインに、内包番組を差し挟みつつ3時間ほどの番組だったと思いますが、アシスタントの「ノリちゃん」こと永井のりこさんとの掛け合いが絶妙で、何ともホッコリしていました。国広さんは低音の落ち着いた声が魅力的で、のりちゃんは力士の南海龍が好きだったのを覚えていますが、その後程なく南海龍は廃業してしまいました…。この番組の事をネットで調べても語る方は皆無につき、ここで触れておきます。たしか翌年のオフシーズンも放送されていたように記憶しています。

 その国広さんにつき定年退職後分かっていませんでしたが、2021年頃に亡くなられたようで、亡くなった事以外詳しくは明かされていないようで、何ともショックでした。
 

「ジョイフル・ポップ」

 …NHK-FMで毎晩平日にやっていた音楽番組で、曜日ごとにジャンルとパーソナリティーを設定して放送されていました。
 そのうちの水曜日がいわゆる懐メロコーナーで、レコードを持っていなかった自分は、この放送で昔聴いたような曲を沢山聴くことができました。

 

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